1994 Fiscal Year Annual Research Report
粒径・形状と構造を精密に制御した高機能分散セラミックス微粒子の大量製造法の開発
Project/Area Number |
06555225
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉本 忠雄 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (80235895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 宏行 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (00213083)
松村 淳司 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (40210059)
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Keywords | 微粒子 / コロイド / 単分散 / 形態制御 / 合成 / ゲル-ゾン法 / レーザートラッピング / セラミックス |
Research Abstract |
1.濃厚溶液からの単分散セラミックス粒子の合成研究についてまず、濃厚Fe塩に水酸化ナトリウムを作用させ得た水酸化物鉄ゲルからの酸化物粒子生成における、粒径・形状・構造等の精密制御法の機構論研究を実施した。濃厚水酸化鉄ゲルから単分散ヘマタイト粒子が得られたのは、核生成期と成長期の分離に成功し、成長途中の粒子の凝集を防止できたためであると考えられる。これはゲル網の粒子保持能力とゲル自身の高粘性、さらには出発塩中の塩化物イオンの強い吸着によるものであると推測した。そこで粒子間の凝集を防止する機構の解明を目的に、近接する2つの粒子をレーザートラッピングで捕捉して粒子間相互作用を解析する全く新しい手法による評価を開始した。 2.次にFe系以外の単分散酸化物微粒子の合成研究を実施した。Al,Co,Ni等の濃厚水酸化物ゲルからの単分散酸化物微粒子の生成反応において、指導原理や作業仮説に基づいて、種々の反応因子が粒子生成過程に与える効果を検討し、それら反応因子が最終的に得られる粒子の平均粒径、粒径分布に与える効果を明確に分離し、同時に反応初期の核生成期とその後の成長期における溶液中のイオンや錯体等の組成変化や、原子レベルでの粒子表面及び内部の構造変化を追跡してその作用機構を明らかにし、それら作用機構にかかわる粒子間の凝集防止の機構の効果を明確にした。 3.また、粒子間の凝集の防止を強化するために、粒子のブラウン運動を抑制するための粘性の付与あるいは粒子表面に強く吸着するような物質を添加し、成長する粒子間に働く相互作用力を上と同じ方法で解析し、単分散化との相関を明確にした。 4.粒子の凝集防止の技術と反応初期の核生成期と成長期の分離技術が成熟したところで、濃厚系での単分散セラミックス微粒子合成の裾野を広げる目的で、CdS等の硫化物やフェライト等の複合酸化物微粒子合成の研究を開始した。
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[Publications] Tadao Sugimoto,Grace E.Dirige,and Atushi Muramatsu: "Preparation of Monodispersed CdS Particles from Condensed Cd(OH)2 Suspension" Journal of Colloid and Interface Science. 印刷中.
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[Publications] Atsushi Muramatsu,Shinichiro Ichikawa,and Tadao Sugimoto: "Controlled Formation of Ultrafine Nickel Particles on Well-defined Hematite Particles" Colloid and Surface. A:82. 29-35 (1994)