1994 Fiscal Year Annual Research Report
化学廃液中の炭化水素類選択透過膜の分子設計と分離のプロセス
Project/Area Number |
06555238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
仲川 勤 明治大学, 理工学部, 教授 (60139459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 保夫 三井造船株式会社, 環境・エネルギー総括部, 課長
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Keywords | パ-ベイパレーション / 共重合体膜 / 透過 / 拡散 / 塩素化炭化水素 / ブチルアクリレート / トリメチルシリルメチルメタクリレート |
Research Abstract |
塩素化炭化水素と親和性のあるゴム状高分子を形成するモノマーn-ブチルメタクリレート(以下n-BA)と、広い高分子鎖間隙を有しガラス状高分子を形成するモノマートリメチルシリルメチルメタクリレート(以下TMSMMA)を用い、n-BAの含有量を10mol%から90mol%と変化させた共重合体を合成した。製膜性はn-BAの含有量が20〜70mol%の共重合体が良好であった。共重合体には1個のTgが観察され、ランダムな共重合体であることが示された。0.2〜0.4wt%のトリクロルエタン(以下TCE)のパ-ベオパレーションを25℃で行い、TCEとH_2Oの分離に対する、n-BAの含有率の影響を研究した。共重合体膜仲のn-BAの含有量の増加によりTCEの透過流速が増加したが、これは膜の活性層のTgが低下し、拡散性が増加したためと考察した。製膜性・透過速度・分離性から70mol%/のn-BAが最適であった。一方、膜の膨潤性の測定を行い、膜へ取込まれたTCEの割合を決定した。これらの結果から膨潤度は液のTCEの濃度に比例した。膨潤度は0.2%のTCE溶液では30%、0.4%溶液では約60%であった。膜に収着したTCE濃度、共重合体中のn-BAの含有率に無関係で60〜70%であった。これはTMSMMAセグメントもTCEに対しn-BAと同等の分配係数を示したことによる。分離係数は0.4wt%TCE水溶液で600、0.2wt%TCE溶液で400であった。透過流速は70mol%n-BAを含む膜で約25g/m^2・hr(70μm膜厚)であった。この共重合体膜はトリクロルエチレン、テトラクロルエチレンの希薄水溶液に対してもTCE水溶液と同様に高い分離性を示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Nakagawa,Y.Toyokawa M.Abe and A.Higuchi: "Synthesis of Membranes having a Saccharide Side Chain and their Optical Resolution Properties for D/L-glucose" Macromolecular Symposia. 84. 209-226 (1994)
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[Publications] 仲川 勤、豊川秀英: "アミノ糖含有高分子膜の調整とグルコースの光学分割の機構" (発表予定).