1995 Fiscal Year Annual Research Report
選択的生成物分離法を組合せた酵素反応による生理活性ペプチドの合成プロセスの開発
Project/Area Number |
06555239
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平田 彰 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00063610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 清孝 東ソー(株), ファインケミカル事業部, 研究職
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Keywords | 生理活性ペプチド / 酵素反応 / 抽出 / 晶析 / 遊離酵素 / 連続合成 / 生成物分離 / アスパルテ-ム前駆体 |
Research Abstract |
本研究は、研究代表者らが既に提出している手法、即ち、酵素反応と同時に生成物を反応系外に抽出分離し、かつ遊離酵素を連続利用し得る手法に基づき新しい生理活性ペプチド連続合成プロセスの開発を目的としている。本年度はアスパルテ-ム前駆体であるZ-APMと低原料基質コストのF-APMの連続合成を主に取り上げ研究を行った。 A)アスパルテ-ム前駆体(Z-APM)連続合成に関し、 1.長期連続合成試験、2.装置の設計指針の確立: 本酵素反応の最適pHは6.5であり、低pH域では酵素活性が著しく低下するが、低pH域における本合成法ではZ-APMの分配比向上による収率の改善、基質(L-PM)のアルカリ加水分解の抑制、水相内基質(Z-L-Asp)濃度の低下による安定操作の実現等の利点を持つことを数値シミュレーションによって示した。更に実際に低pH域でZ-APM連続合成実験を行い、原料基質Z-L-Asp基準で97%という極めて高い転化率を維持した安定な連続運転を行った。又、実験結果は解析計算結果に良好に一致した。 B)基質F-L-Aspを用いた新規ペプチドであるアスパルテ-ム前駆体(F-APM)連続合成に関し、 1.抽出平衡・抽出速度の解析:種々の有機溶媒あるいは抽出試薬を用いた二相系において、基質F-L-Asp及び生成物F-APMの分配比、抽出速度を各pHについて測定し、理論解析を行った。 2.最適有機溶媒の探索:一般的操作法である水一相系ではF-APM合成反応収率は1%未満であるが、本合成法を適用することにより80%以上の収率を得た。又、アンモニウム塩を抽出試薬として添加することによって生成物の分配比が著しく増加することを見出した。現在も引き続き本合成法に適した最適有機溶媒を探索している。 3.反応機構の解明:迅速平衡可逆反応速度式に基づき、本反応機構の解明を進めている。
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