1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトへの適用を目指した最新自動制御システムを有するハイブリッド型人工肝臓の開発
Project/Area Number |
06555248
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
船津 和守 九州大学, 工学部, 教授 (80037960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 正明 (株)鈴木商館, 筑波研究所, 所長代理(研究員)
松下 琢 九州大学, 工学部, 助手 (10209538)
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Keywords | ハイブリッド型人工肝臓 / ガス圧送送液システム / 双方向フローシステム / 多細管型ポリウレタンフォーム充填層 / スフェロイド / 酸素消費速度 / 体外循環システム |
Research Abstract |
1.人工肝臓として5cm^3の装置を作製し、肝不全ラットの体外循環システムにつないで性能を評価したところ、ラットの全肝細胞数の約6.7%の細胞数で肝不全病態の回復に対して有効であることが示された。今後種々の肝不全病態に対して細胞量を変えて同様な実験を繰り返す必要があるが、この結果をもとに計算すると、ヒトの場合、細胞数で8.9×10^9cells、装置容積で1075cm^3と試算された。また今後前臨床段階の実験を予定しているイヌの場合、肝臓重量が約300gであったので細胞数で2.0×10^9cells、装置容積で243cm^3と試算された。 2.双方向フローシステムとガス圧送送液システムを有する現有の動物細胞高密度培養装置((株)鈴木商館製BioPro-SR)に、装置体積約17cm^3の人工肝臓(多細管型ポリウレタンフォーム充填層)を組み込み、ガス圧力と流量の関係を検定して無血清培地を用いて培養実験を行った結果、人工肝臓内の細胞の生存率と固定保持率を最大にする最適流量は、細管内線流速で65.1cm/min、体積流量で45.0ml/minであった。今後これらの値をもとに装置のスケールアップをはかることが可能となった。また今年度購入した血液ポンプを本装置システムに組み込むことで、体外循環ラインとの接続が可能となった。 3.装置のスケールアップをはかる際に重要となるスフェロイド化(組織化)した肝細胞の酸素消費速度を測定した結果、133〜266nmol/10^6cells/minという値が得られ、これは懸濁肝細胞の約5〜11倍高い値であった。本人工肝臓のような充填層型培養装置では、装置人口出口で酸素濃度勾配が生じ易いため、この濃度勾配を解消する双方向フローシステムが人工肝臓の装置化には有効であることが示された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K.Funatsu: "High density culture of animal cells and its application to hybrid artificial liver support systems in Japan" Artificial Organs Today. 4. 253-274 (1994)
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[Publications] 井嶋博之: "多細管型PUF/スフェロイド充填層を用いたハイブリッド型人工肝臓の開発" 人工臓器. 23. 463-468 (1994)
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[Publications] 松下 琢: "初代肝細胞のPUF/スフェロイド培養系を用いたハイブリッド型人工肝臓の開発-血漿中での肝機能の維持-." 人工臓器. 23. 469-472 (1994)
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[Publications] H.Ijima: "Establishment of a rat extracorporeal circulation system to estimate the performance of a hybrid artificial liver" Animal Cell Technology:Basic & Applied Aspects. 6. 395-399 (1994)
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[Publications] K.Funatsu: "Application of three dimensional culture of adult rat hepatocytes in polyurethane foam pores for an artificial liver support system" Proccedings of '94 Annual Meeting of KSAP & The 3rd symposium on new drug development. 137-144 (1994)
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[Publications] 船津和守: "ハイブリッド型人工肝臓の開発" ケミカルエンジニアリング. 39. 29-34 (1994)
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[Publications] T.Matsushita: "Better Living Through Innovative Biochemical Engineering" Continental Press Pte Ltd, 880 (1994)
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[Publications] 松下琢: "バイオプロセスシステム工学" 株式会社 アイピーシー, 687 (1994)