1995 Fiscal Year Annual Research Report
酵素法によるフルクトース-1,6-二リン酸の高効率製造法に関する研究
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06555250
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
石川 治男 大阪府立大学, 工学部, 教授 (00081349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 宏 ユニチカ(株)中央研究所, 生化学部, 部長
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Keywords | ホローファイバーリアクター / Bacillus stearothermophilus / ATP / グルコキナーゼ / ホスホグルコースイソメラーゼ / ホスホフルクトキナーゼ / アセテートキナーゼ / リサイクル数 |
Research Abstract |
1.ホローファイバーリアクターの作製:昨年度、モデル用の小型リアクターを作製し、これを用いてFDPの合成反応を行ったところ、FDPの収率の実測値は推算値に比べてかなり小さな値を示した。これはホローファイバーと反応液供給用のステンレスパイプの接着不良による酵素の漏れやホローファイバーどうしの接触による物質移動用面積の減少などが原因と考えられた。そこで、新たに有効長さ30cmのホローファイバー7本を組み込んだ内径1.0cmの管型リアクターを作製した。 2.FDPの合成実験:触媒であるB.stearothermophilus由来の酵素グルコキナーゼ(GK)、ホスホグルコースイソメラーゼ(PGI)、ホスホフルクトキナーゼ(PFK)およびアセテートキナーゼ(AK)の濃度及び原料液供給速度を種々変化させて、上で作製したリアクターを用いてFDPの合成実験を行った。その結果、同一の液供給速度の条件下では,PGI,PFKおよびAKの濃度を変化させた場合はこれらの濃度が高いほど高い収率と高いATPリサイクル数が得られた。これに対して、GK濃度を変化させた場合、あるGK濃度の範囲内では、GK濃度を減少させると逆に収率とリサイクル数が増大するという興味ある結果が得られた。これは、GK濃度が増大すると第1段目の反応によりG6Pが迅速に合成されるが、2段目以降の反応が遅いために、G6Pの濃度が高くなり、したがって膜を透過してチューブ側に拡散していく割合が高くなるためと考えられる。なお、得られた実験結果はいずれの場合にも理論線と良好に一致した。本合成法を実用化するうえで必要なリアクターの長期安定性と最適操作条件に関する実験及び解析は、現在進行中であり、数ケ月以内には終了の予定である。
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Research Products
(1 results)