高機能濃縮-吸光検出系からなる半導体用超純水の簡易モニタリング機器の開発

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06555252
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 星野 仁 東北大学, 工学部, 助教授 (20124620)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 菅原 勝嘉 宮城沖電気(株), 環境技術室, 係長 ; 小林 セツ 宮城県工業技術センター, 主席研究員 ; 古田 大太郎 イハラ理研(有), 開発担当部, 係長
• Keywords: 超純水 / 水質管理 / ケイ酸 / 濃縮

Research Abstract

半導体製造用高純度水中の超微量ケイ酸イオンをリアルタイムモニタリングするための機器開発を目的とし,本年度はケイモリブデンブルー発色反応,前段濃縮法,および流れ反応・検出系に関する基礎的な検討と最適化を行った.その要点は:(1)発色反応系は,塩酸酸性(pH2.5),アスコルビン酸還元法を用いる簡便法を採用する.(2)前段濃縮系はアッシュレスパルプ(セルロース)を吸着媒体とするイオン交換吸着-イオン対溶離法を用いる.(3)検出器は安価な発光ダイオード(830nm)-フォトダイオードシステムを採用し,高精度ポンプの使用によってベースラインノイズ軽減を図る.以上の検討結果に基づき,試作機を作製した.これによれば1ppb/5mlサンプル程度の微量ケイ酸イオンを連続的にモニターできる.この試作機は半導体メーカーおよび発電所における水質管理システムとして実地試験中である.これらの成果については,汎用実用機器の設計製作が目的であるので,特許等の関係上学会等での発表や学会誌等への公表は行っていない.
本年度の研究成果より来年度の研究方針が確立された.すなわち,(1)パルスレスポンプを採用してノイズレベルの低減を図る,(2)前段濃縮の高効率化とくにイオン交換吸着系(吸着剤および第四級アンモニウム塩の選択)の更なる最適化を行う.これによって,0.01〜0.1ppbレベルの検出性能を持ち,かつよりシンプルな機器の組み上げを行う.