二色誘導ラマン現象による多色・超短パルス光発生とその分析化学への応用

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06555255
• Research Category: Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
• Research Institution: Kyushu University
• Principal Investigator: 今坂 藤太郎 九州大学, 工学部, 教授 (30127980)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 川崎 秀一 日本結晶光学(株), 商品開発部, 研究員 ; 野田 廣 島津製作所, 計測事業本部, 係長
• Keywords: 二色誘導ラマン効果 / ラマン混合現象 / 四波混合 / 多色レーザー / 超短パルスレーザー / 水素 / X線発光分析 / 分光分析化学

Research Abstract

フェムト秒エキシマーレーザーにより、150fs、248nm、3.5mJの紫外パルス光を発生させた。また一酸化窒素の多光子イオン化法に基づくオートコリレーターを用いて、そのパルス幅を確認した。この短パルスレーザー光を水素に集光することにより、フェムト秒レーザーを用いても多数の振動・回転線からなる二色誘導ラマン光が発生できることを確かめた。またパルス幅を150fsから500fsに変換し、パルス幅の影響についても調べた。一方、光源に150fs、800nm、20mJの近赤外フェムト秒チタンサファイヤレーザーを用いる方法についても研究を行った。その結果、前述の紫外レーザーを用いる場合とは異なり、回転ラマン線のみからなる多数の発振線が得られた。またレーザーの集光条件を変えると、自己集束によると思われるホットスポットが観測されたり、あるいは自己位相変調によると思われる白色光が観測されることも分かった。いずれにしても条件を適切に選択することにより、目的とする回転ラマン光のみを選択的に発生できることから、今後二色誘導ラマン効果により超短パルス光の発生が期待できることが分かった。
本研究では、さらにフェムト秒チタンサファイヤレーザーを金属表面に集光することにより、発生するX線から元素を発光分析にする方法についても検討した。現在、ターゲットとしてアルミニウムと銅を用いてX線の発生を確認している。

Research Products

• [Publications] Shigetaka Yoshikawa: "Tunable dye laser with variable pulse width for investigation of nonlinear optical effect" Japanese Journal of Applied Physics. 33. 4898-4902 (1994)
• [Publications] Yoshiya Irie: "Effect of laser linewidths on efficiency in generation of equally-spaced multifrequency beam by four-wave rotational Raman mixing" Optics Communications. 113. 105-110 (1994)
• [Publications] Satoshi Ohtake: "Generation of multifrequency laser emission quasi-equally-spaced in the entire visible region" Applied Optics. (in press).
• [Publications] 今坂藤太郎: "九州大学電離気体実験施設報告(多色・超短パルス光発生と応用)" 九州大学電離気体実験施設, 2 (1994)