1995 Fiscal Year Annual Research Report
鋳型ラテックス重合法による金属選択性新規イオン交換樹脂の開発
Project/Area Number |
06555256
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 誠 九州大学, 工学部, 教授 (90037739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 成夫 九州大学, 工学部, 助手 (00264078)
前田 瑞夫 九州大学, 工学部, 教授 (10165657)
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Keywords | 鋳型重合 / ラテックス / イオン交換樹脂 / 分子認識 / 金属イオン |
Research Abstract |
金属資源の再循環、有効利用に関連して、高選択的な金属捕捉樹脂の開発が重要な研究課題になっている。具体的には、イオン認識能に優れた機能体(ホスト、人工リセプター)を安価、大量に製造するための基礎反応の確立が急務である。鋳型ラテックス重合は、油水界面という特殊な分子認識の場をイオン交換樹脂の製造過程に導入する試みである。 初年度、合成し検討を加えたCu(II)およびZn(II)を鋳型とした樹脂は、優れた金属イオン吸着特性を示したものの、鋳型とした金属以外の吸着もかなり起こり、選択性に問題があった。そこで7年度は吸着特異性の向上を目的とし、鋳型樹脂の重合系の改良を試みた。機能性モノマーとしては、前年度と同様に、生体内における典型的な配位子であるイミダゾール基を有するオレイルヒスタミンアミドを用いたが、さらに重合中エマルションを安定化させる目的で副界面活性剤を添加した。副界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコールモノオレイルエーテル、N-オレイルグルコンアミド等を用いた。アニオン性の副界面活性剤を加えた場合にはかえってCu(II)選択性は減少してしまったが、非イオン性の副界面活性剤を加えた場合にはCu(II)選択性の著しい向上が見られた。 さらに今年度は新たなターゲットとしてCd(II)を選び、鋳型樹脂を合成し、その金属イオン吸着挙動について検討した。イオン選択性電極により金属イオン吸着特性を評価した結果、Cu(II)吸着に関してはCu(II)鋳型樹脂>非鋳型樹脂>Cd(II)鋳型樹脂の順となり、Cd(II)吸着に関してはCd(II)鋳型樹脂>Cu(II)鋳型樹脂≒非鋳型樹脂の順になった。すなわちCd(II)鋳型樹脂は極めて高いCd(II)選択性を有する樹脂であるといえる。
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[Publications] K.Tsukagoshi: "Surface Imprinting,Characterization of a Latex Resin and the Origin of the Imprinting Effect" Bull.Chem.Soc.Jpn.68. 3095-3103 (1995)
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[Publications] M.Murata: "Metal Ion Selectivity of Surface Templated Resins Carrying Phosphate Groups" Anal.Sci.Technol.8(印刷中). (1996)
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[Publications] M.Murata: "Template-Dependent Selectivity in Metal Adsorption on Phosphate Diester-Carrying Resins Prepared by Surface Template Polymerization Technique" Bull.Chem.Soc.Jan.69(印刷中). (1996)