1995 Fiscal Year Annual Research Report
新規高機能不斉ヒドロホルミル化触媒の開発と生理活性物質合成への応用
Project/Area Number |
06555272
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
野崎 京子 京都大学, 工学研究科, 助手 (60222197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 猪佐夫 三菱瓦斯化学株式会社, 東京研究所, 副主任研究員
富田 哲郎 三菱瓦斯化学株式会社, 東京研究所, 主席研究員
佐用 昇 高砂香料工業株式会社, ファインケミカル研究所, 第一主幹
雲林 秀徳 高砂香料工業株式会社, ファインケミカル研究所, 所長
太田 哲男 同志社大学, 工学部, 助教授 (50213731)
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Keywords | 不斉接触反応 / ヒドロホルミル化 / オレフィン / 一酸化炭素 / ロジウム / ホスフィンホスファイト |
Research Abstract |
(1)含硫黄オレフィン類の高位体選択的ヒドロホルミル化に成功した。スルフィド、スルホキシド、スルホンなどの硫黄を含む官能基は、それら自身が有用有機化合物の中に多く見られることに加え、官能基変換が可能なため、合成上重要な中間体として位置づけられている。しかし、遷移金属に対して強い配位性を示すためしばしば触媒毒として働くため、これらの化合物を基質にする高効率触媒反応は限られていた。しかし、本触媒系はその本来の活性の高さを失うことなく、これらの基質を高いエナンチオマー過剰率で光学活性アルデヒドへと導くことができた。 (2)共役ジエン類の高位置および立体選択的不斉ヒドロホルミル化を達成した。ジエン類は反応の対象となるオレフィン結合が2点あり、ホルミル基の導入される可能性のある位置は4ケ所ある。本触媒では、いくつかの共役ジエン類について、この中のただ一ケ所に、かつ高エナンチオ選択的にホルミル基を導入することができた。 (3)オレフィン結合への一酸化炭素の導入として興味深い、オレフィン-一酸化炭素共重合についても検討した。本共重合によって得られるポリケトンは主鎖にキラリテイをもつ新しい型のポリマーであり、その立体を制御した合成法は、近年特に注目を集めている。本研究では、BINAPHOSのパラジウム錯体を触媒としてプロプレンと一酸化炭素を不斉交互共重合させ、これまでの報告で最も高い分子量と最も高いモル施光度をもつポリケトンを得ることに成功した。
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