1994 Fiscal Year Annual Research Report
新しいタイプの医薬品・農薬の開発を志向する生理活性セスキテルペン類の合成研究
Project/Area Number |
06555278
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
安東 政義 新潟大学, 工学部, 教授 (40004402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 裕子 住友化学工業(株), 宝塚総合研究所・農業科学研究所, 副主任研究員
平田 直則 住友化学工業(株), 宝塚総合研究所・農業科学研究所, 主席研究員
鈴木 敏夫 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80202133)
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Keywords | サントニン / ツベレフェリン / デヒドロコスタスラクトン / カメシノン / 抗炎症剤 / 殺白蟻活性 / 農業用殺菌剤 / 植物成長調節剤 |
Research Abstract |
サントニンを原料とし、ツベレフェリン(6)およびその関連化合物、デヒドロコスタスラクトン(10)およびその関連化合物、カメシノン(12)およびその関連化合物を合成し、以下に述べる生理活性に関する知見を得た。 1)新しいタイプの抗炎症剤の開発;a)細胞接着分子(ICAM・1)誘導抑制活性についてin vitroのアッセイ系を用いた活性試験を行い1、2、3、4、5、6、7、8の化合物に活性を認めた。b)a)に述べたin vitroアッセイの結果を考慮して、マウス空気嚢モデルによるin vivoの活性試験を行った結果1および7に強い抑制活性が見られた。c)細胞傷害性T細胞(cytotoxic T cells、CTL)のキラー活性の阻害活性物質を探索し3、4、5、6、9、10、11に強い活性を認めた。 以上のアッセイの結果、α-メチレン-γ-ラクトンおよびα-ハロケトン基を有するセスキテルペン類に新しいタイプの広い意味での抗炎症剤として期待できることが分かった。 2)新しいタイプの農業用殺菌剤の開発;化合物3、4、5、6にイモチ病、トマト疫病、ブドウベト病に対する予防効果が認められた。 3)新しいタイプの植物成長調節剤の開発;10の化合物は10ppmの濃度で185%カエナリ胚軸切片伸長活性を示し、100ppmで244%発根促進活性が認められた。 4)白蟻に対する殺蟻活性;カメシノン12およびその関連化合物の白蟻に対する殺蟻活性と構造との相関関係を調べ、13が天然のカメシノンより5倍活性が強いことを示した。
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