1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06555287
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀江 一之 東京大学, 工学系研究科, 教授 (10013690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 真二郎 東京大学, 工学系研究科, 助手 (20262032)
山下 俊 東京大学, 工学系研究科, 講師 (70210416)
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Keywords | 有機光学材料 / 光異性化 / 光・光制御素子 / スイッチングエネルギー / 高分子薄膜 / 光導波路 / ノルボルナジエンポリマー |
Research Abstract |
本研究は、ポリマー媒質中で種々の光化学反応を行わせてその前後の屈折率変化を測定し、化学構造の変化と屈折率変化の関係を明らかにし、大きな屈折率変化及び複屈折率変化を示す材料を合成すること、およびその結果より、光化学反応の特質を明らかにし、機能性素子の提案、その特性評価を行おうとするものである。 第1年度には、m-lime法による屈折率測定系を設計・作製し、PMMA中でのp-ジメチルアミンアゾベンゼンの光異性化反応に伴う屈折率変化及び光学二色性変化を測定した。第2年度にはフルギド540をドープしたPMMAフィルムとp-メトキシアゾベンゼンをドープしたPMMAフィルムについて、その屈折率変化と波長依存性を測定し、吸収スペクトルからのクラマ-ス・クローニヒ変換を用いて、連続的な屈折率スペクトルを得た。 本年度は、ノルボルナジエン基を側鎖に持つポリマーP(MMA-co-GMA-PNCA)を用い、光反応によって非共鳴波長領域において0.01という大きな屈折率変化を実現した。またこれらの成果をまとめて、(1)光異性化により得られる屈折率の変化と色素の構造との相関について整理し、用途に応じた分子設計の指針を明らかにした。(2)吸収による光の損失、屈折率変化による位相差を利用した光スイッチング素子を試作し、光異性化反応の特性を生かした素子構成を見いだした。(3)さらに、光異性化や他の種々の光化学反応の反応前後における吸収及び屈折率、複屈折率変化から、ノルボルナジエン基を側鎖にもつポリマーについてそれらを利用した光導波路のパタ-ニングを実際に行い、その特性を評価し、フォトオプティカル効果に基づく、新しい光・光制御材料の実用化の展望を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Morino,S.Machida,T.Yamashita,K.Horie: "Photoinduced Refractive Index Change and Birefringecnce in Poly(methyl methacrylate) Containing p-(Dimethylamino)azobenzene" J.Phys.Chem.99. 10280-10284 (1995)
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[Publications] 森野慎也,山下俊,堀江一之: "光反応を用いた光-光制御材料の研究[II]" 東京大学工学部総合試験所年報. 54. 177-182 (1995)
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[Publications] 森野慎也,堀江一之: "光-光制御デバイス" 化学工業. 46. 810-816 (1995)
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[Publications] 森野慎也,木下耕一,山下俊,堀江一之: "有機光導波材料の光学物性の評価" 東京大学工学部総合試験所年報. 55. 121-125 (1996)
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[Publications] S.Morino,H.Takahashi,K.Horie: "Dynamics of a Cyanobiphenyl Liquid Crystal" Trans.Mater.Res.Soc.Jpn.20. 279-282 (1996)
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[Publications] S.Morino,K.Horie: "Photoinduced Refractive Index Changes of Polymer Films Including Photochromic Dyes and Evaluation of the Minimal Switching Energy" ACS Symp.Ser.for Adv.Optics,. (in press). (1997)