1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06555303
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野本 敏治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80011170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 壽男 川崎重工業, 生産技術開発センター, 課長(研究職)
青山 和浩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (80222488)
安澤 幸隆 九州大学, 工学部, 助教授 (10191123)
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Keywords | 精度管理 / 製品モデル / CIM / シミュレーション / 変形予測 / 溶接変形 / FEM / 三次元計測 |
Research Abstract |
船舶,橋梁,鉄鋼,海洋構造物,プラントなどのような大型溶接構造物では,生産対象が大型であるといった理由により,正確に構造物の大きさを計測することは容易ではない。さらに,建造途中の工程で行われる溶接作業などによって熱変形が生じてしまい,大型溶接構造物は製造途中で必ず熱収縮変形を生ずることになる。この変形は予測が困難であり,大型溶接構造物の製造過程における最も解決困難な問題の一つである。本研究では,精度管理活動を計算機を利用して支援するために,実際の製造に先立って行われる事前の精度管理活動に着目し,溶接変形を簡易に推定する方法を検討した。本研究によって得られた知見を整理する。 (1)精度管理活動を計算機を利用して支援するために,精度管理活動全般を取り込む体系的な枠組が必要であることを明確にした。そのために精度管理活動全般を,製造に取り掛かる前の精度管理活動である精度計画と,製造中あるいは製造後の精度管理活動である精度評価に分類し,それぞれの役割を明確にした。 (2)精度計画では,「設計の精度」を決定することが重要であり,そのためには製造対象である部品や中間製品のノミナルな形状を求めることが重要であることを明確にした。 (3)上記(2)を実現するためには,作業中における変形を予測することが重要であり,特に溶接鋼構造物の組立作業の大部分を占める溶接作業において不可避の溶接変形を予測することが重要であることを確認した。 (4)ビ-ド溶接の入熱量と変形量の相関の実験結果から,簡便なFEM線形解析によって溶接変形を予測する手法を検討した,また,そのための溶接変形の力学モデルを提案し,変形予測システムを構築した。
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