1996 Fiscal Year Annual Research Report
種子貯蔵蛋白質リポキシゲナーゼ欠失遺伝子を用いた良質食用油用大豆系統の育成
Project/Area Number |
06556001
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
海妻 矩彦 岩手大学, 教授学長 (00003773)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多村 啓介 農水省, 農業研究センター, 室長
|
Keywords | 人為突然変異 / ダイズ種子蛋白質 / リポキシゲナーゼ / 油脂 |
Research Abstract |
本研究の最終の目的はダイズ種子中のリポキシゲナーゼを完全に欠失した遺伝子型の系統を育成し、そのダイズから生産される油脂が酸化により劣化変質し難くなる性質を持つようになるかどうかを確認することを目的としている。 共同研究者の所属する農水省農業研究センターの方で、本年度は昨年度に育成したリポキシゲナーゼを完全欠失ダイズ品種の九州11号と高脂肪品種の吉林10号及びウイリアムスを交配した種子から選抜した30系統のF3系統を養成した。種子は一応収穫されたが、まだ脂質の分析に至っていない。今後継続して脂質の含量や酸化の程度の分析を進める予定である。 岩手大学では、上述のリポキシゲナーゼを欠失高油脂含量系統の育成を待って、交配の親に使用する予定で進めていた種子貯蔵蛋白質の欠失突然変異系統(7S及び11Sグロブリンの種々のサブユニット蛋白質の欠失変異を交配で集積したもの)の交雑後代(F2)の約3500種子についてSDS電気泳動法により欠失変異遺伝子の遺伝分析を行い、各種の欠失変異の遺伝様式を明らかにすることができた。その中で欠失変異を多重に集積した特異な系統(F3)については、その一部について蛋白質含量と脂肪含量の分析を行い、興味ある結果を得た。 また、これまでの3カ年分の成果のとりまとめを行い、報告書を作成した。
|