1994 Fiscal Year Annual Research Report
西条柿・未脱渋果における低温短時間炭酸ガス処理による脱渋法の確立
Project/Area Number |
06556007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Shimane Prefectual Shimane Women's College |
Principal Investigator |
山本 良啓 島根県立島根女子短期大学, 家政科, 教授 (60085363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤浦 和之 島根県立島根女子短期大学, 家政科, 講師 (80144343)
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Keywords | 脱渋 / 炭酸ガス処理 / 西条柿 |
Research Abstract |
貯蔵並びに脱渋処理によって西条柿は、果実軟化が著しく亢進するため,本試験は脱渋処理を施すことなく未脱渋の果実を貯蔵し,貯蔵後に脱渋処理することに特徴がある。脱渋は炭酸ガス処理として,貯蔵30日〜60日の未脱渋果(果実重160〜180g)を用いて以下の調査を行った。 I)まず、95%炭酸ガス0℃,5℃,10℃の処理温度では6〜12時間で果実の炭酸ガス吸収は最大に達するため、炭酸ガス処理を12時間で終了し,その後10℃、15℃,及び20℃に静置し,脱渋の可否を調査した。その結果,脱渋はするものの果実軟化が著しかった。このことによって,未脱渋果の貯蔵後での脱渋の可能性は確認できた。しかし,果実軟化の抑制には炭酸ガスの高濃度処理は不都合であることがわかった。 そこで,II)炭酸ガスを100%から0%まで順次下げた濃度で20℃にて,12時間並びに24時間処理をし、その後の脱渋と果実軟化の状態をみた。なお処理ガスは窒素にて希釈して用いた。その結果,24時間処理において50%以上の炭酸ガス濃度では処理終了後2日以内で脱渋を完了し,炭酸ガス濃度80%以下で処理炭酸ガス濃度が低いほど,脱渋後の果実軟化が抑制された。 以上の結果,50%〜100%の範囲内での脱渋処理が有効であり,高炭酸ガスは脱渋を早めるが、果実軟化を促進し,低炭酸ガスは脱渋を遅らせるが、果実軟化を抑制すると推察された。また,貯蔵日数が経過するほど脱渋の完了に要する時間が短縮される傾向を示し,貯蔵が長期になるほど低濃度炭酸ガス処理にて脱渋する可能性がある。
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