1996 Fiscal Year Annual Research Report
西条柿・未脱渋果における低温短時間炭酸ガス処理による脱渋法の確立
Project/Area Number |
06556007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shimane Prefectual Shimane Women's College |
Principal Investigator |
山本 善啓 島根県立島根女子短期大学, 家政科, 教授 (60085363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤浦 和之 島根県立島根女子短期大学, 家政科, 講師 (80144343)
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Keywords | 脱渋 / 炭酸ガス処理 / 西条柿 |
Research Abstract |
西条柿果実の貯蔵性あるいは脱渋処理後の果肉軟化に関して,収穫時の果実形質が著しく影響することは明らかである.そこで本年度は貯蔵期間を最大限に延長し,貯蔵性並びに脱渋処理後の果肉軟化の遅延に有効な果実形質を検討すことにした. 試料は同じ栽培条件下にあるものを用い,11月8,9の両日に収穫し,12時間経過後ポリエチレン袋に果実を密封して0℃にて貯蔵を開始した.その後逐次出庫し,果実形質即ち果重,果形及び比重を測定し,次いで果実を果頂部,最高肥大部及び蒂側の基部に分け,それぞれについて果皮直下から果芯方向に果肉中心部まで果肉硬度並びに水可溶性タンニン含量を果実個に測定した.もう一方で,15℃,24時間の炭酸ガス処理を施し,処理後に出庫時と同様の測定をした. 貯蔵4ヶ月を経過した平成9年3月10日でも外観的に果実軟化の様相が認められない健全果が57.9%もあった.その内訳では果重150gから170gの果実が大部分を占め,それ以下の小果,あるいはそれ以上の大果の貯蔵性,とくに大果の貯蔵性が劣るのが注目される.また果実の部分別に測定した果肉の硬度とタンニン含量は,いずれも貯蔵が長期化するに従って漸減する.しかし,両者の相関は0.186と低く,脱渋処理によるタンニン含量の低下が果実軟化を亢進するとする従来の考え方とは異なった. このことから,西条柿の特性が最もよく現れるとされている果重160g前後の果実が貯蔵性においても優れていることがわかった.また,高濃度炭酸ガスのストレスが直接的に果実軟化を誘導すると推察できる.
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