1994 Fiscal Year Annual Research Report
非休眠性ハナカメムシを用いた施設害虫ミナミキイロアザミウマ防除用新生物農薬の開発
Project/Area Number |
06556009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
広瀬 義躬 九州大学, 農学部, 助教授 (10038218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 一哉 岡山県立農業試験場, 病虫部, 研究員
高木 正見 九州大学, 農学部, 助手 (20175425)
梶田 泰司 九州大学, 農学部, 助教授 (40038229)
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Keywords | ミナミキイロアザミウマ / ハナカメムシ / 施設害虫 / 生物的防除 / 生物農薬 / ミナミヒメハナカメムシ / Wollastoniella rotunda / 非休眠性 |
Research Abstract |
ハナカメムシ2種の生態的諸特性のうち温度に対する発育特性については、ミナミヒメハナカメムシの発育速度を17.5℃から35.0℃の温度範囲で調査し、本種の卵および幼虫の発育速度は温度の上昇とともに増加するが、雄幼虫では32.5℃で、雌幼虫では35.0℃で、それぞれ高温障害を示すことを認めた。温度と発育速度の関係を表わす回帰式から求めた本種の発育零点と発育有効積算温度は卵で11.4℃と57.8日度、雄幼虫で12.8℃と152.7日度、雌幼虫で13.3℃と165.8日度であった。本種の休眠性の有無を調査するため、25℃、10L14Dの短日条件下で飼育した結果、雌の産卵率は100%で、このことから本種に休眠性はないと考えられた。本種の増殖能力を明らかにするため、その成虫に1頭当たり1日30頭のミナミキイロアザミウマを与えて産卵数を調査した結果、日当たり産卵数は3.4個、生涯産卵数は61.7個であり、各発育ステージの発育期間と生存率、および産卵した成虫の日齢別生存率と日齢別産卵数から求めた世代期間T、純繁殖率R_o、内的自然増加率r_mおよび増加容量r_cの値はそれぞれ26.4日、26.4、0.16、0.14であった。Wollastoniella rotundaの卵と幼虫の発育速度を25℃と30℃で求め、これらの温度条件下ではミナミヒメハナカメムシより発育が遅いことが明らかとなった。W.rotundaの発育零点や発育有効積算温度、休眠性の有無や増殖能力については次年度に調査する予定である。 ミナミヒメハナカメムシの大量増殖法の開発については、本種幼虫にケナガコナダニを与えて成虫まで飼育できたが、その成虫の産卵数が少なかった。ケナガコナダニに加え、スジコナマダラメイガの卵やトビイロウンカ成・幼虫を与えても産卵数の増加はみられなかった。
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