1996 Fiscal Year Annual Research Report
非休眠性ハナカメムシを用いた施設害虫ミナミキイロアザミウマ防除用新生物農薬の開発
Project/Area Number |
06556009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
広瀬 義躬 九州大学, 農学部, 教授 (10038218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 一哉 岡山県立農業試験場, 病虫部, 研究員
高木 正見 九州大学, 農学部, 助教授 (20175425)
梶田 泰司 山口大学, 農学部, 教授 (40038229)
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Keywords | ミナミキイロアザミウマ / ハナカメムシ / 施設害虫 / 生物的防除 / 生物農薬 / ミナミヒメハナカメムシ / Wollastoniella rotunda / 非休眠性 |
Research Abstract |
ミナミヒメハナカメムシの生物農薬としての適性を評価するため、平成8年10月に岡山県山陽町の岡山県立農業試験場内にあるナス栽培中のビニールハウス(面積,132m^2)において、放飼予備試験を実施した。放飼2日前に沖縄県東風平町で採集したミナミヒメハナカメムシ成虫の雌132頭と雄116頭を、ハウス中央の1株のナスに、株内では均等になるように、放飼したところ、放飼翌日にはミナミキイロアザミウマの密度の低下がみられ、放飼後1週間目にはさらにその密度は低下した。この放飼試験が対照区として無放飼区を設定できなかったため、この密度の低下が必ずしも放飼の結果であるとは断定できないが、少なくとも放飼効果を否定する結果でなかったことは明らかであり、今後さらに無放飼区も設けた本格的な放飼試験の必要性が示唆された。 また、前年度に実施できなかったミナミヒメハナカメムシとWollastoniella rotundaについて、餌の選好性の予備的実験を実施した。その結果、ミナミヒメハナカメムシはカンザワハダニよりもミナミキイロアザミウマを餌として好むが、Wollastoniella rotundaについては、明確な選好性がないという傾向が認められた。 平成6、7年度に得られた、ミナミヒメハナカメムシに関する研究成果を公表するため、3編の論文を学会誌に投稿し、現在印刷中である。 さらに、平成6-8年度に得られた成果を討議するため、研究代表者と全研究分担者(但し、永井は都合により欠席)の参加による会議を平成9年3月1日に開催、相互に検討して報告書を作成した。
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[Publications] Nakashima,Y.and Hirose Y.: "Winter reproduction and photoperiodic effects on diapause induction of Orius tantillus(Motschulsky)(Heteroptera:Anthocoridae),a predator of Thrips palmi" Appl.Entomol.Zool.32・2(in press). (1997)
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[Publications] Nakashima,Y.and Hirose Y.: "Temperature effects on development of Orius tantillus(Motschulsky)(Heteroptera:Anthocoridae),a predator of Thrips palmi(Thys.:Thripidae)" Entomophaga. 41(in press). (1997)
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[Publications] 永井一哉・広瀬義躬・高木正見・仲島義貴・平松高明: "ミナミヒメハナカメムシO.tantillusの増殖に適した代替餌の選択" 日本応用動物昆虫学会中国支部会報. 39(印刷中). (1997)