1994 Fiscal Year Annual Research Report
精子と卵子透明帯の結合機構の解明と新しい避妊ワクチン開発への応用
Project/Area Number |
06556057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 庸厚 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40012760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 忠四 キリンビール, 医薬探索研究所, 副所長
馬場 忠 筑波大学, 応生系, 助教授 (40165056)
高崎 誠一 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80112093)
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Keywords | sp38 / 精子 / 透明帯結合蛋白質 |
Research Abstract |
哺乳類の受精において卵子外層の透明帯が同種精子を選択的に結合させ、これに先体反応を誘導し、透明帯層を貫通させることが知られている。この過程で透明帯上の糖類が精子に対すリガンドとして働くことが示唆されており、我々はこれまで比較的大量に入手可能なブタの系を用いて透明帯結合糖鎖の構造解析を行ってきた。一方透明帯結合性をもつ精子側の分子として、38kDaの糖蛋白質が透明帯の90kDaの糖蛋白質群に特異的に結合することを見い出してきた。更にこの38kDa精子蛋白質を精製し、部分アミノ酸配列を決定し、sp38と名ずけた。またブタ精巣cDNAライブラリーを用いてsp38cDNAのクローニングを行い、これが380アミノ酸残基よりなる糖蛋白質であることを明らかにし結果を発表した。またブタのみならずマウスおよびヒトの系でもsp38cDNAのクローニングをおこない、いずれの分子も60-70%のホモロジーを持つこと、またいずれも精巣特異的に発現されていることを明らかにし、現在発表準備中である。一方、sp38と透明帯との結合が、デキストラン硫酸やフコイダンなどの硫酸化糖で効率よく阻害されることからsp38に対する透明帯側の結合部位は硫酸化糖を含む可能性が高い。これまで主要硫酸化糖として-Gal-G1cNAc(6SO4)-の繰り返し構造を同定してきたが更に微量成分として存在するフコース含有硫酸化糖の存在が明らかになってきた。このあらたに見い出した硫酸化糖構造も含めて、sp38に対する透明帯側の結合部位の検討を行っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mori,E: "Aminoacid sequences of porcine Sp38 and proacrosin required for binding to the zona pellucida" Develop.Biol.168. in press (1995)
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[Publications] Mori,T: "Immunomolecular mechanisms in mammalian implantation" Endocrine J.41(Sup.). S17-S31 (1994)
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[Publications] Baba,T: "An acrosomal protein,Sp32,in mammalian sperm is a binding protein specific for two proacrosins and an acrosin intermediate" J.Biol.Chem.269. 10133-10140 (1994)
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[Publications] Baba,T: "Sperm from mice carrying a targeted mutation of the acrosin gene can penetrate the oocyte zona pellucida and effect fertilization" J.Biol.Chem.269. 31845-31849 (1994)
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[Publications] 高崎誠一: "糖タンパク質糖鎖の解析法" 細胞工学(cell Technology). 13. 937-941 (1994)
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[Publications] 高崎誠一(分担): "グリコバイオロジーシリーズ第5巻、グリコテクノロジー" 講談社, 27 (1994)