Research Abstract |
修復関連酵素検出のための新しいzymography法として活性ブロッティング法を開発・改良してきたが,今回はその有用性を確認するために,まずラットの各種臓器(骨格筋,胸腺,睾丸,脾臓,肝臓,腎臓,肺臓,心臓,脳)について,APEX nucleaseを対象酵素として,活性ブロッティング法でAP endonuclease活性とDNA3′ repair diesterase活性を,westem blotting法で同酵素量を,northem blotting法でApex mRNA発現量を測定して相互に比較した。その結果は,週令で異なるが,10週目のラットで両酵素活性共胸腺,睾丸,脾臓,腎臓などが高く,骨格筋や心臓が低い活性を示した。Westem blottingの結果もnorthem blottingの結果もいくらか違いはあるが,大綱において同じような傾向を示し,粗抽出液で酵素活性を半定量的に測定するのに極めて有用で,他の測定を平行して行うことによって,酵素量を活性の比較,mRNA発現量と活性の比較等を行うことも可能であることを示した。また本法は,今日apoptosisとの関連において注目されているDNase I(あるいは3′OH端を生じるendonucleaseの総て)の組織中や体液中での検出・活性測定に極めて有用であることを示した。すなわち,SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)後活性ブロッティングすることにより,従来の活性ゲル法より10倍以上高い感度で検出可能であった。さらに,等電点電気泳動後活性ブロッティングを施行することにより,DNase Iのアイソザイムパターンを容易に感度良く検出できた。現在,apoptosisに関与するDNaseの分子種を本法でzymographicalに検出・同定することを試みている。また,これら得られた成果の論文発表の準備を進めている。
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