1996 Fiscal Year Annual Research Report
新合成TEMPO標識ビオチンによるスピンアッセイ法の確立
Project/Area Number |
06557016
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Research Institution | Fukui Medical School |
Principal Investigator |
福田 優 福井医科大学, 医学部, 教授 (60079720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々本 一美 株式会社同仁化学研究所, 研究部, 研究部長
河野 雅弘 日本電子株式会社, 分析機器本部, グループ長
法木 左近 福井医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (30228374)
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Keywords | ESR / ビオチン / TEMPO / アビジン / スピンアッセイ / ビチオン・TEMPO |
Research Abstract |
平成8年度においては、すでに合成・精製法の確立したTEMPO標識ビオチン(biotin-TEMPO)を用いて、生体内アビジン定量の基礎的および臨床研究を行った。同時再現性(n=5)を検討し、CV値は4.1%と高い再現性を得ている。IFCC勧告法により求めた検出限界は、0.012mg/mlであった。0.000-0.100mg/mlの範囲で得られた検量線は直線性を示し、その相関係数はγ=0.995であった。干渉物質による影響を調べたが、遊離型ビリルビン・抱合型ビリルビン・溶血ヘモグロビン・乳びに関してその影響は認められなかった。これらの結果は、「磁気共鳴と医学 vol.7」p.173-177.に発表した。炎症性疾患や腫瘍性疾患を有する患者の血清を用いて検討した結果、明らかな有意差は認められなかった。現在、血清avidinが上昇する特定の疾患は見つかっていない。今後、広く検討を続けていく必要があると思われる。さらに、biotin-TEMPOを用いた研究として、avidin-biotinの解離条件の検討を行った。biotin-TEMPOは、avdinと解離するとそのシグナルが回復するので定量的な検討も可能であった。今まで報告されている、avidin-biotin複合体の解離条件は120℃、20分のオートクレイブ処理などが知られているが、今回我々は、ホルムアミドによってavidin-biotin複合体は解離することを見出した。30%以上の濃度のホルムアミド中で、ほぼ完全に解離した。これらの研究を通して、新たに、TEMPO標識ビオシチン(biocytin-TEMPO)を合成・精製した。理論的には、ビオチニダーゼと反応させ、biotinとlisin-TEMPOに分解されたものにavidinを添加してTEMPOのシグナルの増減をみることにより、新しいビオチニダーゼ活性の測定が可能である。しかし、実際は、biocytin-TEMPOとavidinとは反応してもシグナルは小さくならず、加熱処理を加えることにより、シグナルが減少した。この理由は不明であり、今後の検討が必要と思われる。
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