1994 Fiscal Year Annual Research Report
アデノウイルス-過性発現ベクターによるサイトカインと情報伝達分子の作用機構の研究
Project/Area Number |
06557023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横田 崇 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50134622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 寛一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90215038)
村松 正明 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50230008)
渡辺 すみ子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (60240735)
斉藤 泉 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70158913)
新井 賢一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00012782)
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Keywords | アデノウイルスベクター / LacZ / プロモーター / GM-CSF / HeLa細胞 |
Research Abstract |
平成6年度の研究計画として提出した諸点につき以下の検討を行なった。 (1)LacZ遺伝子を発現する組換えアデノウイルス(Ad)を各種細胞株およびprimary骨髄細胞に感染させ,遺伝子発現を比濁法,フローサイトメトリーおよび細胞化学的方法により検討した。本ベクターによる遺伝子導入効率は高率であり,ウイルス力価,宿主細胞接着分子受容体,プロモーター活性依存的に遺伝子を発現すること,細胞周期非依存性であること,感染後3-5日目をピークとする一過性発現であることが明らかになった。また,従来遺伝子導入困難であったヒトprimary骨髄細胞への効率良い遺伝子導入が可能であることを認めた。 (2)ヒトGM-CSFなどの遺伝子を発現する組換えAdを作製し,HeLa細胞への感染上清中のサイトカイン活性をMTT法にて確認した。 (3)マウスに上記のLacZ遺伝子発現Adを静注感染させ,肝・脾・腎・肺におけるβ-galactosidase発現を組織化学的に検出した。さらに,マウスGM-CSF発現Adを静注感染させ,7日-14日後に骨髄および脾臓の骨髄細胞および骨髄巨核球系細胞などの増殖を認めた。また,同ベクター感染骨髄細胞のサイトカイン無添加条件下におけるメチルセルロース・コロニー形成を認めた。 以上の結果は,本ベクターによる遺伝子導入がin vitroおよびin vivoの両者において有効であり,感染条件を調節することにより外来性遺伝子の発現量を制御できることを示した。現在,サイトカイン分子およびシグナル伝達分子の遺伝子を発現するベクターを作製中である。
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[Publications] H.Kurata,et al: "Adenovirus-Mediated Gene Transfer:Application to The Hematopoietic System" Leukemia. (in press). (1995)
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[Publications] Masuda.E,Yokota.T,Arai,K, et al: "GM-CSF,IL-3,IL-4 and IL-5:Regulation of genes and signal transduction by their receptors" Moleculsr Biology of Hematopoiesis. 3. 503-516 (1994)
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[Publications] Arai.K,Yokota.T,et al: "Hematopoietic gronth.factons on human chromosome5:genes and their receptors." J.Cell.Biochem.(in press).
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[Publications] Nakagawa.Y,Yokoda.T,et al.: "Structure of the gene encoding the α suburit of the human granvlocyte macrophage colony stimulatig factor receptr.eptois." J.Biol Chem.269. 10905-10912 (1994)