Research Abstract |
本研究は,脳電位時系列変動のオンライン処理を備え,三次元画像処理により立体的に可視化する[三次元脳電位画像解析ソフトウエア]のシステム化を達成することを目的とする. 研究計画の初年度である平成6年度は,脳電位記録データベースの完成(斎藤健,高倉昌之)を目指した.現有設備(二次元光量差分計測装地,生体アンプ,データレコーダ,誘発電位装置,パソコン等)を用いて,ラット等の脳電位活動記録を行いデータベース化を計った.脳電位記録データベースの作成過程において,in vitroもしくはin vivoにおける神経細胞活動の継時的変化を数量的に解析し,時系列変化の特徴を抽出することの意義が次第に明らかになりつつある. 一方,ルーチンプログラムには,画像記録時後直ちに解析結果の利用が可能で,三次元画像処理は脳電位変化をより解りやすく立体的に可視化する,カオス解析,相関分析などが容易に組み込めるため非線型解析へ発展性がある,などの特色がある.基礎的なルーチンプログラムの完成(斎藤和雄,神山昭男)に向けて,必要な基本プログラムを搭載した解析装置(脳電位デジタル処理システム)を新規購入し,データ転送,解析項目の基準化,データ処理パラメータの標準化などを計った.その結果,0.6msec毎に測定記録されるデジタル画像情報量は大量で,予想以上に解析時間が長いことが明らかとなった. したがって,今後はデータベースをさらに強化し,種々のデータによる分解能,再現性など,パフォーマンスの安定性を確認し,問題点を抽出しながらプログラムの完成度を高めること,実用化の達成(神山,斎藤和雄)に向けて研究経過をまとめ,具体的な利用方法,基礎および応用両面における利用範囲等について検討していく必要がある.
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