1995 Fiscal Year Annual Research Report
生体計測工学に基づく皮膚の性状および皮膚疾患の非侵襲的診断法の開発
Project/Area Number |
06557049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田上 八朗 東北大学, 医学部, 教授 (60026911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 和浩 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80211209)
末武 茂樹 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (60226397)
相場 節也 東北大学, 医学部, 講師 (80159269)
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Keywords | 皮膚 / 生体計測工学 / 角層 / 皮膚炎 / アトピー性皮膚炎 / 瘢痕 / 肥厚性瘢痕 / ケロイド |
Research Abstract |
1 モルモットをを用いた高濃度の界面活性剤のラウリル硫酸ナトリウム含有ワセリン塗布による皮膚炎における表皮増殖の状態をFACSをもちい経時的に分析している。その結果24-48時間をピークとするDNA合成の亢進につづいて、角層数の増加、角層のバリア機能低下、水分保持機能の上昇が一週間以上にわたって持続することを見いだした。角層のターンオーバー時間は短縮する。一方、皮表pH,血流状態を追及中である。同様のことをモルモットの実験白癬の病変においても検討中であり、炎症の程度に一致して、表皮細胞のDNA合成の亢進、角層機能の低下、角層のターンオーバー時間の短縮が観察されている。 さらに、角層のストリッピングによる皮膚炎についても同様の実験を行おうと計画中である。 2 アトピー性皮膚炎患者の非病変部皮膚において低濃度のラウリル硫酸ナトリウムによる皮膚炎を起こし、上記の非侵襲的方法を用い計測すると、健康正常人に比較して、有意の角層バリア機能の低下が1週間以上に亘り持続することを観察した。 3 手術後の肥厚性瘢痕、ケロイドを対象に、その経時的な変化を非侵襲的方法を用い追跡し、一般の瘢痕は200〜400日で大体正常の皮膚と同じ角層機能を回復することを認めた。一方、何年も持続するケロイドの角層の機能は手術後の約40日の新鮮な瘢痕の機能に近い、つまり真皮の修復状態がつねに新しい創傷と近いということを見いだした。 4 皮膚の触覚センサーを用いた皮膚の硬度の計測は角層を種々の水分含有状態においた硬さの違う合成樹脂モデルを用いて、検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Tagami: "Ichthyosiform eruption in a patient with Dubowitz synarome" Pediatric Dermatology. 12. 130-133 (1995)
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[Publications] Tagami,H.: "Handbook of Non-Invasive Methods and the Skin" Ed.Jorgen Serup and G.V.E.Jemec CRC Press, 5 (1995)