1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06557052
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Research Institution | Institute for Molecular and Cellular Regulation, Gunma University |
Principal Investigator |
柴田 宏 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (20235584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
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Keywords | インスリン / グルコーストランスポーター / GTP結合蛋白 / マストパラン |
Research Abstract |
6年度の研究により(1)マストパランのグルコース取り込み促進作用とG蛋白活性化作用が相関すること、(2)マストパランがラット脂肪細胞において実際にGLUT4の細胞膜上への転位を促進すること、(3)マストパランはGLUT4のエキソサイトーシスを促進することによりGLUT4の転移を促進することが明らかとなった。したがってマストパランのグルコース取り込み促進作用は、マストパランが何らかの三量体型G蛋白に作用してGULT4小胞のエキソサイトーシスを促進することが考えられた。7年度はマストパランの作用点に関してさらに検討を行った。(1)百日咳毒素で処理した脂肪細胞においてもマストパランのグルコース取り込み促進作用は認められたことから、マストパランの標的はGi/Goではないことが確認された。(2)さらにインスリンのグルコース取り込み促進作用に重要な役割を果たしているホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)の阻害剤であるワ-トマニンによりマストパランの作用は影響を受けなかったことから、マストパランはPI3Kに依存しない機構を活性化することによりGLUT4の転位を促進することが明らかになった。(3)一方、マストパランの作用はホスホリパーゼA_2阻害剤であるキナクリンにより消失したことから、マストパランの作用にホスホリパーゼA_2が関与している可能性が考えられる。(4)しかしながら、KCN処理により細胞内ATPを枯渇させた条件下では、インスリン及びGTPγSの作用は消失したのに対し、マストパランの作用は全く影響を受けなかった。このことはマストパランのグルコース取り込み促進作用はG蛋白活性化を介するものではないことを示唆する。
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[Publications] Shibata, H.他: "Dissection of GLUT4 recycling pathway into exocytosis and endocytosis in rat adipocytes : Evidence that GTP-binding proteins are involved in both processes." J. Biol. Chem.270. 11489-11495 (1995)
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[Publications] Shibata, H.他: "A synthetic peptide corresponding to the Rab4 hypervariable carboxy-terminal domain inhibits insulin action on glucose transport in rat adipocytes" J. Biol. Chem.(印刷中). (1996)