1995 Fiscal Year Annual Research Report
肥満症,糖尿病,過食症の治療薬としての非ペプチド性ブリミン(NPY)括抗剤の開発
Project/Area Number |
06557060
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
乾 明夫 神戸大学, 医学部, 助手 (80168418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植本 雅治 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (90176644)
佐野 公彦 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (40205993)
越谷 和雄 山之内製薬株式会社, 第一創薬研究所, 主任研究員
山口 時男 山之内製薬株式会社, 第一創薬研究所, 主管研究員
間瀬 年康 山之内製薬株式会社, 第一創薬研究所, 所長
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Keywords | ブリミン / NPY括抗剤 / 摂食促進作用 / 肥満症 / 糖尿病 / 過食症 |
Research Abstract |
本研究は、臨床同定されている最強の摂食促進物質であり,しかも単独でエネルギー消費を抑制し、著しい内蔵脂肪沈着を伴う肥満モデル動物をつくることができるbulimin(ブリミン:NPY)を臨床応用のターゲットにした研究である。 前年度の研究により、我々は、BACO(bulimin agonist of cyclic octapeptide of NPY)というC端側の環状ペプチドが、NPYの構造に近似し、摂食促進作用を示し、更に、この作用はNPYの血圧上昇作用とは解離しうることを明らかにした。今年度は、このBACOの作用を模倣しうる非ペプチド性のアンタゴニストのスクリーニングを行った。非ペプチド性のブリミン(NPY)括抗剤は肥満症,糖尿病,過食症というヒト食行動異常症に対し、従来にない治療薬として、臨床応用が期待されるからである。 今年度の研究及び問題点とは以下の様にまとめられる。 1)非ペプチド性NPY括抗剤の母格となるべき化合物を数種類見出した。これらのNPY化合物は、NPYの摂食促進作用をつかさどると考えられているY_1受容体C神経芽細胞腫由来SK-N-MC細胞と高親和性を有するが、Y_2受容体とはクロスしない。 2)NPY化合物は脳室内投与により摂食抑制を発現するが、血管内収縮作用は示さない。 3)NPY化合物の一部は、BACOと同じく摂食促進作用を発現した(すなわちアゴニストの同定) 4)しかし、現在までのところ、NPYの摂食促進作用を鎮静作用との明確な分離ができず、また、血液、脳関門の通過性に、難点を有している。 現在、NPYの受容体は更に、細分化されており、Y_2及びY_4もクリーニングされるに及んだ、今後、受容体サブタイプに特異的なNPY化合物を見出してゆく必要がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A. Inui: "NPY octapeptide analog as a bulimin agunist" Diabetes 1994 (Elsevier). 560-563 (1995)
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[Publications] K. Momose, A. Inui et al: "Development of bulimin agonist of carboxyl octapeptide analog of neuropeptede" Physiologist. 38. A250-A250 (1995)
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[Publications] 乾明夫: "食行動異常と消化管ホルモン" Bio Clinicd. 10. 30-33 (1995)