1995 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症モデルの作製と治療法の開発-トランスジェニックマウスを用いて
Project/Area Number |
06557064
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土井 俊夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60183498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 晴次郎 シオノギ研究所, 研究員
袴田 康弘 京都大学, 医学研究科, 助手 (30261233)
横出 正之 京都大学, 医学研究科, 講師 (20252447)
深津 敦司 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90247685)
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Keywords | 非酵素的糖化終末産物 / 糖尿病 / 腎症 / メサンギウム細胞 / 受容体 / 強発現 / 糸球体硬化症 |
Research Abstract |
糖尿病性腎症は慢性腎不全に陥る原因の中で重要な病変である。その原因を解明し、発病を抑止する事は医学上および社会上の急務である。糖尿病の合併症は高血糖状態で生じる非酵素的糖化終末産物(AGE)と密接に関連しており、腎症発症に重要な役割を果たしている。本代表者は腎症の病変の中心部位であるメサンギウム細胞がAGEに特異的な受容体を有し、AGEに反応して細胞外基質の産生を亢進している事を見いだした。我々は細胞外基質の中で最も重要なIV型コラーゲンのプロモーターに結合する転写因子を検討し、この転写因子のひとつであるMSWの発現がAGE刺激により著明に減少する事を見いだした。MSWはDNA複製因子Cと相同性がありPCNAとともに働きDNA複製にとって重要な因子であり、糸球体硬化症における役割を解析した。ラットAGE受容体のクローニングに成功し、メタロサイオニン-Iのプロモーターを有する発現ベクターを作製した。細胞における導入実験ではその受容体蛋白発現増強を認めた。この遺伝子を用いたin vivoにおける強発現系とantisenseを用いた抑制系により病変解析を行っている。本研究の特色は糖尿病性腎症発症に最も重要であると考えられているAGEとその受容体という、生理学的及び病理学的に存在する物質の反応であり、現在よく用いられている種々の糸球体硬化症モデルのように実際には存在しない物質や手技を用いるのとは異なる。従ってヒトの糖尿病性腎症発症の解析には最適のものになり得ると考えられ、研究を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Iehara, N., Takeoka, H., Tsuji, H., Imabayashi,T., Faster, D. N, Strauch, A. R., Yamada, Y., Kita, T., Doi,T.: "Differentiation of smooth muscle phenotypes in mouse mesangial cells." Kidney International. (in press).
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[Publications] Iehara, N., Takeoka, H., Yamada, Y., Kita, T., Doi, T: "Advanced glycosylation endoproducts modulate transcriptional regulations on mesangial cells" Contrib. Nephrol.(in press).
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[Publications] Yokode, M., Nagano, Y., Arai, H., Ueyama, K., Ueda, Y., Kita, T.: "Cigarette Smoke and lipoprotein modification: a possible interpretation for development of atherosclerosis" Ann. N. Y. Acad. Sci.748. 294-301 (1995)
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[Publications] Yokode, M., Kita, T.: "The macrophage and its role in atherogenesis." Internal Medicine. 34. 281-283 (1995)
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[Publications] Hakamata, Y., Nishimura, S., Nakai, J., Nakashima, Y., Kita, T., Imoto, K.: "Involvement of the braintype of ryanodine receptor in T-cell proliferation" FEBS Lett.352. 206-210 (1994)
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[Publications] Bernier, S.H., Utani, A., Sugiyama, S. Doi, I., Polistina, C., Yamada, Y.: "cloning and Expression of Laminin d_2 chain(M" Matrix Biology. 14. 447-455 (1994)