術野再構成画像による脳外科手術計画ならびに手術操作支援技法の開発

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06557080
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 早川 徹 大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 種子田 護 近畿大学, 医学部, 教授 (10236713) ; 田村 進一 大阪大学, 医学部, 教授 (30029540) ; 吉峰 俊樹 大阪大学, 医学部, 講師 (00201046)
• Keywords: 手術支援 / 画像再構成 / 脳神経外科 / コンピュータ / 手術計画

Research Abstract

現在までに種々の画像構成法が考案されているが、脳神経外科手術計画ならびに手術支援の目的にかなったものはまだ完成をみていない。手術計画においては必要な情報が過不足なく得られる想定術野画像が重要であるが、現在普及しつつある画像再構成法や、画像処理機器はおもに放射線科医の診断を指向しており、脳神経外科の手術シミュレーションや画像誘導手術に向いているとは言いがたい。そこで本研究では診断画像から手術に必要な情報を抽出し、統合した至適な再構成画像を作成し、さらに手術シミュレーションをも行えるようなシステムを構築することを目的とした。この目的に沿って、本研究では外科医の立場から想定術野画像が得られる画像再構成法や、手術室に持ち込んで画像誘導手術などを可能とする小規模手術支援システムの開発をめざしており、これが本研究の特色となっている。
まず、これまで発表されている種々の想定術野画像再構成法を比較検討した。対象はMRのイメージング技術を利用したSAS法、ワイヤーフレーム法、ポクセルモデル法等である。このうちボクセルモデル法で最も詳細で、リアリスティックな画像がえられた。しかし、膨大な画像データのハンドリングや、画像セグメンテーション法、表示のためのパラメータ決定法に難点があり、画像処理に長時間を要する。私撻はその過程で極めて容易に実用的な画像が得られる重畳法を開発、皮質下病変の画像誘導手術に応用し、その有用性を確かめている。今後より普遍的な脳神経外科手術への応用を検討したい。

Research Products

• [Publications] 早川 徹: "「解剖を中心とした脳神経外科手術手技」機能解剖に基づいた脳手術支援" 脳神経外科. 22. 7-16 (1994)
• [Publications] 早川 徹: "「手術のセットアップ」脳手術支援システム" Neurosurgeons. 13. 34-42 (1994)
• [Publications] 早川 徹: "術野脳表解剖画像の再構成-手術計画立案のために-" 映像情報(Medical). 26. 1165-1167 (1994)
• [Publications] 早川 徹: "重畳法による脳表解剖再構成画像の有用性" 脳神経外科ジャーナル. 3. 108-113 (1994)
• [Publications] 早川 徹: "脳神経外科手術支援装置の現状 CANS Navigator" 新医療. 241. 98-102 (1994)
• [Publications] 早川 徹: "A reconstruction method of cerebral surface anatomical image for image guided localization." Journal of Clinical Neuroscience. (印刷中).