1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06557083
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
坪井 直生 京都大学, 医学研究科, 講師 (90261221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤木 将男 京都大学, 医学研究科, 助手 (00273441)
平岡 真寛 京都大学, 医学研究科, 教授 (70173218)
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Keywords | 実験的骨腫瘍 / ハイパーサーミア / 髄内釘 / 抗腫瘍効果 |
Research Abstract |
兎脛骨に長さ10cm、径2.4mmのK-wlre(ステンレス製)を髄内釘として挿入し交流磁場発生装置内に置き発熱させ、骨髄内髄内釘近傍の温度および脛骨内側皮質骨の表面温度を1cm間隔で光学的温度計で計測しこのシステムでの温度分布を調べた。次に、脛骨平原より6cmの部位の骨髄内に1.5mm大のブロック状VX2腫瘍を数個移植し、実験的転移性骨腫瘍を作製した。移植後10日で腫瘍は肉眼的に長さ約4-6cmに成長し髄腔を占拠しており、レ線上、溶骨像が認められたが、骨外に浸潤することはなかった。この時点で前述の方法でハイパーサーミアを施行した。加温時間は50分とした。ハイパーサーミア施行後3週間で兎を屠殺し抗腫瘍効果を肉眼的、レ線学的、組織学的に検討した。髄内釘近傍の温度分布は遠位方向へ偏った放物線を描き、脛骨平原より7-8cmの部位で約50℃に達した。脛骨内側皮質骨表面の温度分布は脛骨平原より8cmの部位でピークをなし、約45℃に達した。肉眼的には4-10cmの部位では腫瘤の形成が著明に抑制されており、レ線上も軽度の骨萎縮を認める程度であった。しかし、温度分布の不良な脛骨近位部では骨破壊が認められ、一部骨外への浸潤も認められた。組織学的には周囲軟部組織の損傷はなかった。脛骨内側皮質骨表面の温度ピーク(脛骨平原より8cmの部位)を約48℃以上に上昇させると、熱傷によると思われる下腿内側の皮膚壊死、動脈閉塞によると思われる足背部の皮膚壊死及び、静脈血栓症によると思われる強い下腿から足部にかけての浮腫など様々な合併症を生じた。 十分な温度分布の得られた部位では明らかな抗腫瘍効果が認められた(統計学的な有意差あり)。しかし加温の不十分な脛骨近位部では腫瘍による骨破壊が認められ、ホットスポットをつくらぬよう温度分布の改善が必要と思われた。一つの解決方法としてFe-Pt合金のような低キューリ-点をもつ金属を発熱体として用いれば髄内温度の均一化を計ることが出来るであろうと思われた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ikenaga,M.et al.: "Localized hyperthermic treatment of experimental bone fumors with ferromagnetic ceramics." Journal of Orthopaedic Research. 11. 849-855 (1993)
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[Publications] Ikenaga,M.et al.: "Hyperthermic treatment of canine tibia through RF inductive heating of an intramedullary naili a new experimental approach to hyperthermia for metastatic bone fumours." Int.J.Hyperthermia. 10. 507-516 (1994)
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[Publications] 赤木将男 他: "実験的転移性骨腫瘍に対する髄内釘を用いたハイパーサーミア" 日本整形外科学会誌. 69-8. S1422- (1995)