1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06557086
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
折笠 精一 東北大学, 医学部, 教授 (60001004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 実 東北大学, 素材工学研究所, 講師 (30006043)
古屋 泰文 東北大学, 工学部, 助手 (20133051)
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Keywords | 形状記憶合金 / 人工尿道括約筋 |
Research Abstract |
形状記憶合金(SMA)を尿道括約筋として用いる場合、形状記憶合金そのものの厚さと括約筋としての形状、さらにバイアススプリングとして用いる金属あるいはシリコンゴムの性質により、全体として得られる力が異なる。そのため色々な組み合わせのものを作製し、それぞれの平熱時と加熱時の流量を測定した。その中で、閉鎖特性と小型化が可能な点から人体に埋め込むには右図の形状のものが基本的形状と考え、多少工夫を加えながら実験を行なった。 本装置は二方向形状記憶効果を持つ4枚の形状記憶合金薄板よりなり、各板は常温(室温)時に円弧形状(図b)、加熱すると平(図c)になるように記憶されている。バイアススプリングとしてゴム輪を巻いてある。尿道モデルは内径6mm、外径8mmのシリコンチューブを使用した。尿道には70cmH_2Oの一定圧を付加して流量を測定した。加熱方法は温水および電熱線を利用した。 実験結果:常温時の流量は0ml/secで流れを完全に閉鎖できた。加熱時は46℃で開き始め、65℃で完全に解放され最大流量24ml/secが得られた。加熱を中止した場合は自然放熱としたが、60℃で閉鎖が始まり46℃で完全に閉鎖した。 人体に埋め込む場合は動作温度が問題となり、上記実験に用いた合金の変態温度では不都合である。しかし、合金の組成、熱処理、加工方法どよって形状記憶合金の変態温度を制御できるので、合金を人体埋め込みに適した温度に設定することは可能である。今後より小型化し、さらに体外から非接触で加熱できる高周波誘導加熱を検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 棚橋善克,他: "K535形状記憶合金を用いた人口尿道開閉機構の開発" 「機能性材料とインテリジエント材料・構造システム」シンポジウム 論文集. 109-112 (1994)
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[Publications] 江鐘偉,他: "SMAを用いた人口尿道バルブの開発" 第72回日本機械学会総会,論文集. (未定). (1995)