1994 Fiscal Year Annual Research Report
新しい歯の再植および移植法の開発に関する研究とその臨床応用
Project/Area Number |
06557109
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 雄三 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (50014329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 哲也 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60242210)
石井 正俊 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70212826)
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Keywords | 歯の移植 / 歯の再植 / 外傷歯 |
Research Abstract |
外傷歯の再植治療の予後について、臨床的観察を行った。亜脱臼、挺出脱臼、嵌入脱臼歯の保存率は比較的良好であった(76.2-95.9%)。脱落歯の再植の予後は、保存状況は良好で(25/26歯)、8歯は歯根吸収なし、9歯に置換性吸収、5歯に炎症性吸収、3歯に置換性、炎症性吸収がみられた。固定法はrigidより緩やかな固定法によるものに歯根吸収がみられなかった。湿潤な環境で保存され、1時間以内という早期に再植された脱落歯に歯根吸収が見られない傾向があった(論文準備中)。歯の移植の臨床術式の開発を行い、つづいて移植後の短期観察結果を考察し、第39回日本口腔外科学会(1994年)で発表した。すなわち、移植床の準備ならびにドナー歯の植入のため、目盛り付きツイスト・バ-およびトレファン・バ-、スタンプ・バ-を用いた移植床形成法、自己の骨小片およびコラーゲン膜を用いた骨移植およびGTR法を用いた周囲骨形成法を開発した。本法を用いて根完成歯の移植を18症例、18歯に行った。観察期間は2週間から15カ月と短期であったが、生存率100%であった。歯根膜の治癒(歯槽硬線)の存在、周囲骨の存在、歯根吸収の状態、ペリオテスト値による動揺度、歯肉の治癒状態の観察結果から2/18症例(11.1%)に天然歯と同様の生着をみた、と結論した。移植歯の術後歯髄処置の適切な時期を検索するため歯髄の病理組織学的検索を行った。約3週まで生活歯髄が検出された。以後は壊死組織を示した(第49回日本口腔科学会,1995年発表予定)。基礎的研究の一環として歯根膜組織由来細胞の培養を開発した。細菌、真菌の汚染を防ぐため、埋伏歯の歯根膜組織を10倍量の抗生物質に1夜浸漬後、培養系に移した結果成功するようになった。さらに、現在移植動物実験(サル)を計画中である。
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