1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトにおける薬物代謝を予測する新規代替試験法の開発
Project/Area Number |
06557124
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鎌滝 哲也 北海道大学, 薬学部, 教授 (00009177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 佳都夫 北海道大学, 薬学部, 助手 (20261323)
横井 毅 北海道大学, 薬学部, 助教授 (70135226)
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Keywords | 代替法 / P450 / トランスジェニックマウス / CYP3A7 / p53欠損マウス / 細胞発現系 / 肝細胞 |
Research Abstract |
1.ヒト胎児の主要なP450であるCYP3A7のcDNAを導入したトランスジェニック(Tg)マウスにCYP3A7の基質(薬物)を投与し、その代謝物の血中濃度を測定することにより代替法としての有用性を検討した。すなわち、Tgマウスにミダゾラムを投与し、血清中のミダゾラムの代謝物レベルをHPLCで測定した。その結果、野性型マウスと比べ、ミダゾラムの1′-位水酸化代謝物のレベルは有意に高かった。 2.現在までにP450を安定に発見する培養肝細胞株は得られていない。p53欠損マウスのいくつかの臓器の細胞は形態を維持した状態で長期培養可能であることから、肝細胞についてP450を安定に発現する細胞株の樹立を試みた。すなわち、CYP3A7を導入したTgマウスとp53欠損マウスを交配し、その肝細胞から培養細胞株を樹立した。このTgマウスはマウスメタロチオネインプロモータの制御下でCYP3A7を発現するため、亜鉛による誘導的発現が可能である。樹立した培養肝細胞において培地に塩化亜鉛を添加することによりCYP3A7mRNAが発現することをノーザンブロット分析で明らかにした。また、CYP3A7の酵素活性を7-プロポキシクマリンを基質として測定したところ、塩化亜鉛を添加したときのみ活性が認められた。これらのことより、CYP3A7を安定に発現する肝細胞株が樹立できたことが示された。この方法を応用すれば、ヒト酵素導入Tgマウスとp53欠損マウスを交配するだけで、目的のヒト酵素を発現する培養細胞株を得ることができ、非常に有用であると考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Y.Li et al.: "Establishment of transgenic mice carrying human fetus-specific CYP3A7" Arch.Biochem.Biophys.329. 235-240 (1996)
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[Publications] T.Yokoi et al.: "A new CYP2D6 allele with a nine base insertion in exon 9 in a Japanese population associated with poor metabolizer phenotype." Pharmacogenetics. 6. 395-401 (1996)
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[Publications] K.Nakamura et al.: "CYP2D6 is a proncipal cytochrome P450 responsible for metabolism of the histamine H1 antagonist promethazine in human liver microsomes." Pharmacogenetics. 6. 449-457 (1996)
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[Publications] Y.Li et al.: "Perinatal expression and inducibility of human CYP3A7 in C57BL/6N transgenic mice." Biochem.Biophys.Res.Commun.228. 312-317 (1996)
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[Publications] Y.Takahashi et al.: "Expression of aryl hydrocarbon receptor (AhR) and Ah receptor nuclear translocator (Amt) in adult rabbits known to be non-responsive to cytochrome P450 1A1 (CYP1A1) inducers." Eur.J.Biochem.242. 512-518 (1996)
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[Publications] Y.Li et al.: "In vivo activation of aflatoxin B_1 in C57BL/6N mice carrying a human fetus-specific CYP3A7 gene." Cancer Res.57. 641-645 (1996)
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[Publications] 鎌滝哲也 他: "薬物代謝の影響:塩酸イリノテカンの副作用を例として"バイオアベイラビリティーの改善を目指して"" 現代医療社(印刷中), (1996)