1994 Fiscal Year Annual Research Report
コレステロール転送を制御する生体内因子の解析とその応用への基盤研究
Project/Area Number |
06557128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 圭三 東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 隆生 エーザイ(株), 研究開発本部第3部, 主任研究員
供田 洋 北里研究所, 抗生物質研究室, 副部長 (70164043)
新井 洋由 東京大学, 薬学部, 助教授 (40167987)
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Keywords | マクロファージ / コレステロール / 動脈硬化 / 変性LDL / HDL / アポE / ホスファチジルコリン / スフィンゴミエリン |
Research Abstract |
マクロファージが変性LDLを取り込んで、いわゆる泡沫細胞になることが知られているが、今年度は、変性LDLを取り込む過程で、マクロファージが取り込んだコレステロールを積極的に細胞外に放出していることを見出した。この過程は、蛋白質合成阻害剤や、ゴルジ体を破壊することの知られている薬物であるブレフェルジンで阻害されることがわかった。さらに、コレステロールは、マクロファージが合成・分泌するHDL様粒子に結合した形で放出されていることが明らかになった。このHDL様粒子の成分として、リン脂質としては、殆どがホスファチジルコリンであり、他に少量のスフィンゴミエリンを含んでいた。また、蛋白質成分としては、分子量35Kの蛋白質が含まれているのみで、これは、アポ蛋白質Eと考えられた。このような組成の粒子に結合しているコレステロールは遊離型のみであり、その意味では一般的に肝臓などが放出する血漿リポタンパク質とは性質の異なる粒子であることが明らかになった。マクロファージは、コレステロールを過剰に取り込むと、このような粒子の分泌を活性化し、細胞内に溜まったコレステロールを積極的に細胞外に放出しているものと考えられた。従って、今回見つかった経路を活性化させることができれば、動脈硬化の予防につながることも考えられる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Fukasawa M.: "Chinese Hamster Overy Cells Expressing a Novel Type of Acetylated" J.BioL.Chem.270. 1921-1927 (1995)
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[Publications] Aikawa,K.: "Structure-Specific inhibition of Lysosomal Cholesterol Transport" Biochim.Biophys.Acta. 1213. 127-134 (1994)
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[Publications] Inoue.K: "PAF acetylhydrolase from mammalian tissues" J.Lipid Mediators. 10. 13-16 (1994)
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[Publications] Omura S.: "Microbial metabolites affecting lipid biosynthesis" Pure and Applied Chemistry. 66. 2267-2270 (1994)
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[Publications] Inokoshi,J.: "Cerulenin-resistant mutants of Saccharomyces cerevisiae" Mol.Gen.Gen.244. 90-96 (1994)
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[Publications] Tomoda H.: "Relative ans absolute stereochemistry of pyripyropene A" J.Am.Chem.Soc.116. 12097-12098 (1994)
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[Publications] 新井洋由: "蛋白質核酸酵素" 共立出版, 14 (1994)
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[Publications] 供田洋: "ファルマシア" 日本薬学会, 5 (1994)