1994 Fiscal Year Annual Research Report
血小板の接着分子を標的とした血管の炎症性疾患治療薬の開発
Project/Area Number |
06557134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 勉 東京大学, 薬学部, 助教授 (00143503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益田 順一 国立循環器病センター, 室長 (70173747)
山本 一夫 東京大学, 薬学部, 助手 (20174782)
今井 康之 東京大学, 薬学部, 助手 (80160034)
入村 達郎 東京大学, 薬学部, 教授 (80092146)
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Keywords | 血小板 / 白血球 / 細胞接着 / 炎症 / 活性酸素 / セレクチン |
Research Abstract |
本研究においては、血小板と白血球との接着を修飾することを通して血管の炎症性疾患を制御する医薬品開発の基盤を築くことを目標にし、今年度は、以下の小目標を設定し研究を進めた。 1)血小板-白血球相互作用の制御を標的とした抗血小板薬のスクリーニング法の確立 蛍光物質でラベルされた抗血小板膜糖タンパク質GPIbに対する抗体で標識した活性化血小板を白血球と混合し一定時間後に細胞浮遊液をフローサイトメーターにより分析することにより、両細胞間の接着反応を測定する方法を開発した。本法により、活性化血小板と好中球あるいは単球との接着反応を定量的に解析することが可能となった。 2)組換え型可溶性P-セレクチンの活性酸素産生阻害作用の特性の解明 この分子がどのような白血球活性化物質によるスーパーオキシドアニオン産生を抑制するかスペクトルを調べた。その結果、ホルミルペプチドや腫瘍壊死因子により誘導される活性酸素の産生が抑制されたが、ホルボールエステルやアラキドン酸による活性化は抑制されなかった。このことから、可溶性P-セレクチンは受容体刺激の下流に位置するシグナル伝達経路に直接作用する刺激物質に対しては無効であるが、受容体を介した活性酸素の産生誘導に対しては抑制効果を示すことが推察された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Nagata: "Role of O-linked carbohydrate chains on leukocyte cell membranes in plateiet-induced leukocyte activation" Journal of Biological Chemistry. 269. 23290-23295 (1994)
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[Publications] T.Tsuji: "Induction of superoxide anion production from monocytes and neutrophils by activated platelets through P-selectin-" Sournal of Leukocyte Biology. 56. 583-587 (1994)