1994 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルオ-ディオテープを用いた小型生体電気計測システムの開発ー乳幼児における神経機能の発達の追跡調査ー
Project/Area Number |
06558006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮下 充正 東京大学, 教育学部, 教授 (80023571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小市 正治 日本光電株式会社本郷第二営業所(研究職), 所長
山本 義春 東京大学, 教育学部, 講師 (60251427)
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Keywords | デジタルオ-ディオテープ / 小型生体電気計測システム / 乳幼児 / 拮抗抑制 / 心拍変動 |
Research Abstract |
データ取得システムとして、小型デジタルオ-ディオテープ(DAT)録音・再生機(2チャンネル)2台と新しく制作した小型アンプ2台を用い、小型生体電気計測システムを構成し、成人及び乳幼児において筋電図および心電図を試験的に測定記録し、測定システムの信頼性、妥当性を検討した。 直立姿勢獲得前(生後4カ月)の乳幼児での測定の結果、運動神経機能に関しては、連続肘屈曲伸展時の上腕二頭筋,三頭筋について拮抗抑制がみられなかった。これはGatev(1972)の結果に対応しており、拮抗抑制の定量的評価を行う必要がある。さらに筋電図については腱刺激による伸張反射が主動筋のみならず拮抗筋でも確認される反射のradiation現象が成長とともに消失することに着目しており、随意動作時の主働筋,拮抗筋の筋活動パターンの発達と比較しながら定量的評価を行うことを計画中である。伸張反応のradiationはIa求心性線維から拮抗筋への強いシナプス入力によると考えられ、いわゆる「運動神経が鈍い、動作がぎこちない」原因がこのような末梢の神経回路の構造自体にある可能性がある。成長過程における運動経験の寡多が反射機能の発達過程に影響を与えること十分に考えられ、体育学的観点からも非常に重要な問題となるであろう。 自律神経に関しては、外乱に対して成人でみられるような心拍応答が無いという興味深い知見が得られた。これは、自律神経機能の発達に関する当初の予想を示唆するものであり、詳細な解析が必要である。また、申請者らがずでに開発済みである心拍変動の時系列からフラクタル成分を分離する粗視化スペクトル法により、従来のスペクトル解析では評価しにくかった自律神経活動の評価を可能とし、幅広い年代での測定評価を行った。本申請と直接関連をもつ重力負荷時の自律神経応答の評価にも成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamamoto,Y.and R.L.Hughson: "On the fractal nature of heat rate variability in humans:effects of data length and β-adrenergic blockade." American Journal of Physiology(Regulatory Integrative Comp.Physiol.35). 266. R40-R49 (1994)
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[Publications] Butler,G.C. Y.Yamamoto and R.L.Hughson: "Fractral nature of short-term systolic BP and HR variability during lower body negative pressure." American Journal of Physiology(Regulatory Integrative Comp.Physiol.35). 267. R26-R33 (1994)
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[Publications] Butler,G.C. Y.Yamamoto and R.L.Hughson: "Heart rate variability to monitor autonomic nervous system activity during orthostatic stress." Journal of Clinical Pharmacology. 34. 558-562 (1994)
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[Publications] Nakazawa,K. K.Masani M.Miyashita and H.Yano: "EMG activities of mono-and bi-articular muscles during goal-directed ballistic movement." Human Movement Science. 13. 601-610 (1994)
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[Publications] 野崎大地,山本義春: "生体のI/f^β ゆらぎとその解析法" BME. 8(10). 5-12 (1994)
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[Publications] 北城圭一,白山正人,宮下充正: "ニューラルネットワークによる等尺性随意膝伸展筋力発揮時のEMG-トルク関係の学習" Japanese Journal of Sports Sciences. 14(2),(印刷中). (1995)