1994 Fiscal Year Annual Research Report
アプリケーションに適した言語機能を導入可能な分散並列言語の開発
Project/Area Number |
06558038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
益田 隆司 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (80114130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 滋 東京大学, 大学院理学系研究科, 学振特別研究員
猪原 茂和 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (30251391)
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Keywords | 分散処理 / 自己反映計算 / C++ / 言語拡張 |
Research Abstract |
これまでの研究成果を論文にまとめ、発表した。この論文では、自己反映計算に基づいた言語拡張の技法が、現実の分散処理にどのように役立てられるかを述べ、基本となるモデルの概要を示した。さらに、すでに開発したOpen C++処理系のプロトタイプを用いて、グループウェアシステムの試作をおこない、有効性の実証研究をおこなった。この研究では、作成したシステムの基盤部分を、クラスライブラリの形で分離することを試み、本研究の拡張技法をC++に組みこむことにより、従来は使えなかった効率のよい実装技術を、ライブラリの仕様そのものを簡潔にすることについても研究し、本研究の拡張技法により、実際にユーザが、より少ない知識でライブラリを利用できるようにできた。 さらに、本年度は、新しいC++言語の仕様にOpen C++を対応させる方法、および実行効率の改善のための最適化技法についての検討をおこなった。その結果、使用している自己反映計算のモデルそのものの再検討が必要である、という判断に達した。そこで、まったく新しい自己反映計算のモデルを考案し、言語scheme上にプロトタイプシステムを作成した。プロトタイプ上での実験では、高速な実行効率と、包括的な拡張性を両立できることが明らかになった。また、新しいC++言語の仕様にも問題なく対応できることもわかった。この研究で考案した新しいモデルは、単にC++言語の拡張に使えるだけではなく、広く一般のプログラミング言語に適用可能であると考えられる。我々は、このモデルがいわば第二世代のモデルとして、自己反映計算の研究に大きな影響を与えることを期待している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 千葉滋,益田隆司: "自己反映言語Open C++とその分散処理への適用の実際" コンピュータソフトウェア. 11-3. 33-48 (1994)
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[Publications] 牛嶋一智,千葉滋,益田隆司: "拡張が容易なクラスライブラリの自己反映計算を利用した構築法について" オブジェクト指向計算に関するワークショップ'94. (1994)
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[Publications] 牛嶋一智,千葉滋,益田隆司: "グループウェア構築のための分散共有オブジェクトの実装について" 日本ソフトウェア科学会第11回大会論文集. 205-208 (1994)