強震時における共同溝-地盤系の非線形挙動特性の把握と耐震設計モデルの構築

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06558061
• Research Institution: YATSUSHIRO COLLEGE OF TECHNOLOGY
• Principal Investigator: 渕田 邦彦 八代工業高等専門学校, 土木建築工学科, 助教授 (80124155)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 秋吉 卓 熊本大学, 工学部, 教授 (60040383)
• Keywords: 共同溝 / 地中パイプライン / 地震応答 / 模型実験 / 液状化 / 非線形 / 地盤変状

Research Abstract

本研究は、強震地動や地盤変状に対する共同溝の非線形挙動特性を明らかにするとともに、地盤ばねや共同溝継手などの重要なパラメータ評価の基礎資料を蓄積し、それに基づく合理的な耐震設計用モデルの開発を目的とする。特に、液状化など強震時の地盤変状に着目し、共同溝周囲の地盤剛性に関して重点的に実験を行い、実験結果を踏まえて、継手を含めた共同溝の地震応答を評価する解析手法を構築した。
まず、模型地盤に飽和砂層を用いて、共同溝を想定した地中パイプライン模型を砂箱中に設置して液状化実験を行い、共同溝表面のせん断ひずみ・間隙水圧・加速度応答などを計測し、液状化過程における共同溝-地盤間の地盤ばねの非線形な復元力特性について等価係数により検討した。また地盤変状の1つとして液状化による側方流動に関する実験も実施した。
一方、共同溝の埋設される地盤を2次元FEMでモデル化し、有効応力解析に基づく強震時の地盤液状化に関する解析プログラムならびに2次元FEMによる液状化時の地盤永久変位に関する解析プログラムを開発した。液状化解析及び側方流動解析プログラムの妥当性については、実験結果との比較により確認した。このような解析に加えて、上記の模型実験の結果より得られる有効応力に対する地盤ばね定数の特性に基づいて、共同溝を弾性床上のはりとして、液状化時の側方流動を受ける共同溝の応答解析のプログラムを開発し、強震時の地盤液状化が共同溝へ与える影響及び耐震設計の重要なパラメータについて検討し、合わせて耐震設計用モデルの構築を試みた。以上の成果は別紙の研究成果報告書にまとめているが、実測データの蓄積による照査や地盤の構成条件を含めた詳細な検討などは今後の課題として残された。

Research Products

• [Publications] 渕田邦彦: "Effect of SCP Ground Improvement on Buried Pipelines" Proceedings of the 9-th JAPAN Earthquake Engineering Symposium. Vol.2. 2101-2106 (1994)
• [Publications] 秋吉 卓: "地盤改良による地盤反力向上効果" 平成5年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集. 74-75 (1994)
• [Publications] 渕田邦彦: "Behavior of Pipelines Buried in SCP-Improved Ground during Earthquake" Proceedings of the U.S.Conference on Lifeline Earthquake Engineering. 104-111 (1995)
• [Publications] 渕田邦彦: "地中パイプラインに対するSCP地盤改良の側方流動防止効果" 第23回地震工学研究発表会講演集. 345-348 (1995)
• [Publications] 渕田邦彦: "サンドコンパクション地盤改良の側方流動防止効果について" 第30回地盤工学研究発表会講演概要. 1059-1060 (1995)