1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06558073
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
百島 則幸 九州大学, 理学部, 助手 (80128107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 正敏 親和電子工業(株), 課長
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Keywords | トリチウム / 水素ガス / 同位体分析 / 水晶振動子 / パラジウム |
Research Abstract |
核融合施設のトリチウム精製系でのトリチウムを重水素のリアルタイム測定が可能な新しい分析装置の開発研究を目指している。水晶振動子に蒸着したパラジウムが水素を吸蔵する事による重量変化を検出し、水素同位体分析に応用しようとするものである。本年度は本格的な装置を完成するために以下の項目について研究開発を行った。 1.ガラス製の実験装置を製作し基礎実験を行った。パラジウムの表面状態が水素吸蔵に影響するため、装置内を高真空にあらかじめ排気しパラジウムの表面をきれいにすることが必要であった。個々の水晶振動子の温度特性は微妙に異なっているため、精密な温度測定と温度変化を受けにくい装置が要求された。それらの成果を元にステンレス配管を中心に組み合わせ、装置に導入する水素圧を変化させることができるようにした水素ガス同位体分析装置を製作した。 2.コンピューターによるデータ取り込みとデータを記録するためのソフトを開発した。装置内2個配置した水晶振動子からの振動周波数と、装置内に配置した熱電対からの出力を、任意の時間間隔で取り込み、その変化の様子を画面上に表示すると共に、適宜コンピューターに記録するソフトを製作した。 3.水晶振動子へのパラジウム金属の蒸着条件と水素吸蔵の関係を調べた(ガラス製の基礎実験装置で行った)。水晶振動子へ蒸着したパラジウムが厚いと、水素吸蔵によるひずみのためパラジウムが水晶からはく離する現象が観察された。また、水晶振動子にもともと着いている銀電極は酸化により重量増加が起こると推察された。従って、電極が着いていない水晶振動子の表面に金を蒸着し、その上に再度パラジウムを蒸着することで水素吸蔵によるパラジウムのひずみを緩和できるようにする予定である。
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