1994 Fiscal Year Annual Research Report
生物、化学発光を利用した高感度毒性評価システムの開発
Project/Area Number |
06558081
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
白石 寛明 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 主任研究員 (10124348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 英博 アトー株式会社, 技術開発部, 課長(学術研究課)
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Keywords | 生物発光 / 化学発光 / 毒性試験 |
Research Abstract |
試料の分注からインキュベーション、発光量の計測、濃度計算まででるマイクロプレート用発光測定装置を試作した。この装置は、96、48および24ウェルに対応しており、フォトカウンティング方式の測光システムを採用することで、高感度(過酸化水素として10^<-8>M、ATPとして10^<-14>M)で広いダイナミックレンジ(7桁)を持たすことが出来た。細胞の活性測定を、細胞内でのNAD(P)H生成に関連する酵素および細胞膜と細胞内に存在するNAD(P)H-キノン酸化酵素の活性で計測するために、三種類の精密分注ポンプを内蔵させた。このうち二つはプランジャーポンプで、一つはメナジオン(ビタミンK_3)の添加のために分注設定量2-20μL(分注精度1%、10μL分注時)とし、一つは発光試薬溶液(TDPOとピレンのアセトニトリル溶液)の添加に使用するため分注設定量50-500μL(分注精度1%、100μL分注時)とした。他は50-250μLの設定容量を持つペリスターポンプで、緩衝溶液の添加などに使用する。分注ノズルを二重管構造にすることにより、このペリスターポンプを利用して分注量が微量なメナジオン溶液をマイクロプレートのウェルに洗い流すことができるように工夫した。分注ノズルとマイクロプレートはX軸およびY軸に移動できるように設計し、インキュベーション時間(最大99分)を含めた計測に必要な時間を最短で行えるようにした。マイクロプレートの温度は室温+10℃から50℃の間で制御出来るようにした。測定条件とデータ処理は小型のパーソナルコンピュータから出来るように設計したため、動物の培養細胞の活性測定のみでなく、ATPの測定など発光を利用する様々な計測に応用が可能となった。例えば、マイクロプレートを用いることにより、海洋性跛行細菌を用いるマイクロトックス試験が約1割程度の試薬量で出来るように微量化された。
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