1995 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー回収型自己造部・自己流動スラッジブランケットの開発
Project/Area Number |
06558088
|
Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
深川 勝之 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20043870)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森元 光雄 大島工機(株), 研究室, 室長
品川 恵美子 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (20116726)
竹内 正美 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (30043889)
村上 定瞭 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (00035065)
|
Keywords | 嫌気処理 / UASB / グラニュレーション / 難分解性有機物 / 発酵廃液 / しょう油廃液 / スルファニルアミド |
Research Abstract |
本研究では、高濃度の有機物と塩を含む廃水を対象に、自己造粒・自己流動を伴う生物処理技術の開発のために種々の検討を行った。 (1)上向流嫌気性ハイブリッドリアクター(Upflow Anaerobic Hybrid Sludge Blanket,UAHB)装置を作製し、製薬工程から排出される塩分濃度が高く、難分解性物質であるスルファニルアミドを含む廃水の処理を試みた。嫌気条件下では、スルファニルアミドは分解されなかったが、従来困難とされていた自己造粒は促進され、当初の目的を達成した。易分解性の有機物はブランケット内で高速に処理された。この廃液に対しては、合成基質で馴致・造粒させたグラニュール化汚泥を種汚泥として用いたが、慎重に馴致を行うことにより、グラニュールを破壊することなく再生発達させることができた。 (2)UAHB反応装置で発酵廃液の処理を試み、高速嫌気処理が可能であることが明らかとなった。この廃液は、高濃度の有機性窒素と、硫酸塩が含まれ、メタネーションやグラニュレーションに対して阻害が起こることが予想されたが、いずれも運転条件を適正に取ることによって克服された。すなわち、スタートアップ時の汚泥の流出を防止すること、pHの制御などを行うことにより良好な処理を達成したものである。 (3)魚の醤油付け焼きなどで生じる高濃度に塩分及び脂質を含む廃水の処理を試みた。今回の実験条件では、脂質の分解を十分に行うことはできなかったが、脂質が分解過程にあることを確認した。HRTを長くとることにより脂質の分解も十分に可能であることが明らかとなった。また、従来から醤油廃水の処理においては、グラニュール化が困難とされてきたにもかかわらず、グラニュール種汚泥は解体せず、発達させることができた。この実験では自己造粒の条件を見つけることをも目的としたものの、自己流動現象を観察できたのみで終了し、自己流動による高速処理については運転条件を明らかにすることはできなかった。
|
Research Products
(1 results)