1994 Fiscal Year Annual Research Report

味覚・臭覚機能をもつセンシングシステムの開発-動的非線形応答の活用

Research Project

Project/Area Number	06558091
Research Category	Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
Research Institution	Nagoya University
Principal Investigator	吉川研一名古屋大学, 人間情報学研究科, 教授 (80110823)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	毛利伸幸兵庫県立工業センター, 開発部, 研究員中田聡奈良教育大学, 教育学部, 助手 (50217741)
Keywords	インテリジェントセンサー / 脂質二分子膜 / 半導体ガスセンター / 味覚・臭覚モデル / 非線形 / 非平衡 / 化学センサー / 非線形微分容量
Research Abstract	本研究は現在継続中であるが、現在までに次のような成果を得ている。 1.味覚機能を持つ化学センサーの研究脂質二分子膜にウイーンブリッジ発振回路を電気的に結合させた系で、引き込み同調現象を利用した、味覚センシングを試みた。その結果Mg^<2+>,K^+などの無機イオンの定性・定量が可能であることが明らかになった。また、膜の非線形容量を取り入れたシミュレーションにより実験結果の再現が可能であることを示すことができた。この様な結果は、細胞膜自体の非線形な性質が、味覚や嗅覚の受容機構において重要であることを、物理化学的な視点から示唆するものとなっている。今後、多様な化学物質に対しての脂質二分子膜の応答性を系統的に研究していくことで、様々な化合物を認識するセンシングシステムの構築が可能となるであろう。 2.嗅覚機能を持つ化学センサーの研究セラミック型の半導体ガスセンサーについて、温度を周期的に変化させたときの、伝導度の非線形応答を複数種のセンサーについて系統的に解析し、多種類のガスを分別し、定量することのできるガスセンサーの実用化をめざした研究を行っている。その結果、組成の異なるセンサーでは全く違う化学応答を示すことを明らかにした。これはセンサーの情報次元を拡大する意味で重要である。また、現在プラハ工科大学のMilos Marek教授と共同で、応答の理論的なモデル化のために種々の物理化学的パラメータの推定を行っている。これら2つの研究を融合させることにより、より多くのガス種を定性・定量することの可能な解析方法の確立を目指している。

Research Products

(9 results)

All Other

All Publications (9 results)

[Publications] K.Yoshikawa: "Rhythms and Bifurcation in Membranes and Interface" (Eds.),Physics of the Living State,pp.45-55 (1994)
[Publications] M.Makino: "Autocatalytic Aggregation of Fatty Acid with Phenyl and Diacetylene Moieties at an Air-Water Interface" Langmuir. 10,4,. 1287-1291 (1994)
[Publications] J.Gorecki: "Moleculer dynamics simulations of nonequilibrium spatial correlation in a reaction diffusion system" Phisyca A. 211. 327-343 (1994)
[Publications] T.Kusumi: "Oscillating Chemical Reaction in Oil/Water Systems,Generation of Macroscopic Oscillatory Force" In“FAR-FROM-EQUILIBRIUM DYNAMICS OF CHEMICAL SYSTEMS. 87-94 (1994)
[Publications] 松浦弘智: "分子モーターと化学機械エネルギー変換" 化学. 49. 670-671 (1994)
[Publications] 吉川研一: "化学反応系の非線形ダイナミクス-結合振動系を中心に" 応用数理. 4. 238-258 (1994)
[Publications] 北原和夫: "生命現象と物理学" 朝倉書店, 160 (1994)
[Publications] 北原和夫: "非平衡系の科学I〜反応・拡散・対流の現象論" 講談社, 202 (1994)
[Publications] 森義仁: "非線形現象〜時空間に繰り広げられるドラマ" 産業図書, 182 (1994)

1994 Fiscal Year Annual Research Report

味覚・臭覚機能をもつセンシングシステムの開発-動的非線形応答の活用

Principal Investigator

吉川 研一 名古屋大学, 人間情報学研究科, 教授 (80110823)

Research Products

[Publications] K.Yoshikawa: "Rhythms and Bifurcation in Membranes and Interface" (Eds.),Physics of the Living State,pp.45-55 (1994)

[Publications] M.Makino: "Autocatalytic Aggregation of Fatty Acid with Phenyl and Diacetylene Moieties at an Air-Water Interface" Langmuir. 10,4,. 1287-1291 (1994)

[Publications] J.Gorecki: "Moleculer dynamics simulations of nonequilibrium spatial correlation in a reaction diffusion system" Phisyca A. 211. 327-343 (1994)

[Publications] T.Kusumi: "Oscillating Chemical Reaction in Oil/Water Systems,Generation of Macroscopic Oscillatory Force" In“FAR-FROM-EQUILIBRIUM DYNAMICS OF CHEMICAL SYSTEMS. 87-94 (1994)

[Publications] 松浦弘智: "分子モーターと化学機械エネルギー変換" 化学. 49. 670-671 (1994)

[Publications] 吉川研一: "化学反応系の非線形ダイナミクス-結合振動系を中心に" 応用数理. 4. 238-258 (1994)

[Publications] 北原和夫: "生命現象と物理学" 朝倉書店, 160 (1994)

[Publications] 北原和夫: "非平衡系の科学I〜反応・拡散・対流の現象論" 講談社, 202 (1994)

[Publications] 森義仁: "非線形現象〜時空間に繰り広げられるドラマ" 産業図書, 182 (1994)

吉川研一名古屋大学, 人間情報学研究科, 教授 (80110823)