1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06558099
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
安藤 敏夫 金沢大学, 理学部, 教授 (50184320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武信 貴亮 オリンパス光学工業, 第2開発部, 研究員
林 美明 オリンパス光学工業, 第2開発部, 係長
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / AFM / 高速スキャナー / 高分解能像 / 分子間力 / カンチレバ- |
Research Abstract |
生物試料を操作したり、観察する上で固有に現れる様々な要求を採り入れ、生物科学研究においてより一層有効性の高い原子間力顕微鏡(AFM)を試作・実用化する。生命現象の究極的理解には、構成生体高分子の微細構造、表面の物理化学的特性、ダイナミックな応答特性、分子間に働く力などについて詳細に知る必要がある。本研究ではダイナミック応答追跡で要求される液中での走査の高速化、タンパク質-タンパク質間及びタンパク質-基質間に働く計測法の開発、形状観察の空間分解能の向上の3点に力を入れてAFM装置の製作及び周辺技術の開発を行った。最終の今年度においては、以下の事項の研究開発を行った。 1.既に作成した高速スキャナーの試験 2.高い共振周波数を持つカンチレバ-の開発とその試験 3.システム全体の試験 4.形状観察の空間分解能の向上 5.分子間力計測 スキャナーについては十分高速に動作することを確認した。カンチレバ-については歩留まりが悪いが、共振周波数が400kHzのものを得ることができた。しかし、バネ定数は期待したより大きく、サイズは長さ30μm、幅18〜6μm(台形)とかなり小さい。変位検出の光てこ法に使う半導体レーザーをこの小さいカンチレバ-の先端に絞ることが難しいことが判明した。光てこ法に代わる方法としては、レーザーを対物レンズで絞ることのできる焦点エラー検出法しかないことが判明した。形状観察の分解能はかなり向上し、ミオシン頭部の形状を、X線結晶解析で得られている形状と比較できる程度まで観察できた。分子間力については、HMM1分子とアクチンとの相互作用を検出することに成功した。
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