1996 Fiscal Year Annual Research Report
超分子複合体のための高精度X線回折強度測定法の開発
Project/Area Number |
06558102
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
月原 冨武 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00032277)
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Keywords | 生体超分子複合体 / 結晶構造解析 / X線回折 / 蛋白質 |
Research Abstract |
生体超分子複合体の結晶はその単位格子が通常のタンパク質に比べて、1桁ないし2桁大きいために、回折強度データ収集にさまざまな問題点が生じてくる。この研究では、大きな格子定数を持つ生体超分子複合体結晶の回折強度データ収集法を確立するために研究を行った。 格子定数が大きくなることによって生じる問題は、回折斑点間の距離が狭くなり、その分離が困難になることと、回折強度が弱くなるために精密な強度データを得ることが難しくなることである。これらを如何に克服するかがこの研究の最大の課題であった。 この研究で得られた成果は要約すると「生体超分子複合体結晶の回折強度データ収集は、軸を立てないで振動角を小さくすれば、少なくとも格子定数が500Åまでならば十分良いデータを得ることができる。」である。回折強度測定の際の振動角を小さくすることによって、斑点間の重なりを減らすことができるだけでなく、回折強度のS/Nも高めることができる。また軸を立てない測定をすることによって、系統誤差の少ない回折強度データを得ることができる。そのための吸収補正プログラムも作成した。 生体超分子複合体の結晶はモザイク幅が、大きいと思われているために、振動幅を小さくすると部分反射が増えるために強度データの精度が落ちることが懸念された。しかし、実際には生体超分子複合結晶も通常のタンパク質と変わらないモザイク幅でその懸念はなかった。 軸を立てた方が吸収の影響が少ないと思われがちであるが、実際にはそうでなく軸を立てると、等価な反射の吸収が等しくなるに過ぎず吸収補正はむしろ困難になる。軸を立てない方法で,ローカルスケーリングによって吸収補正を行うことによって吸収による系統的な誤差を減らすことができた。
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[Publications] T.Tsukihara et al.: "The Whole Structure of the 13-Subinit Oxidized Cytochrome c Oxidase" Scince. 272. 1136-1144 (1996)
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[Publications] T.Tsukihara et al.: "Structure of Metal Sites of Oxidized Bovine Heart Cytochrome c Oxidase" Scince. 269. 1069-1074 (1995)
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[Publications] 月原冨武: "呼吸酵素チトクロム酸化酵素のX線結晶構造解析" 遺伝. 50巻. 11-12 (1996)
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[Publications] 月原冨武: "巨大な膜タンパク質複合体の立体構造の解明" 日本物理学会誌. 51巻. 560-509 (1996)
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[Publications] 青山浩,月原冨武: "ウシ心筋のチトクロム酸化酵素の金属中心の構造" 日本結晶学会誌. 38巻. 48-53 (1996)
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[Publications] Y.Morimoto: "Ordered Structure of the Crystallize6 Bovine 20S Proteasome." J.Biochem.177. 471-474 (1995)