1995 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー光ピンセットによる超微細マニピュレータ技術の開発:膜蛋白分子の捕捉と操作
Project/Area Number |
06558108
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
片山 芳文 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (20014144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 哲史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80251552)
辰巳 仁史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (20171720)
平井 恵二 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (70156628)
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Keywords | 微分干渉顕微鏡 / ビデオ画像処理 / ナノメートル計測 / 光ピンセット / レーザー光 / 光学技術 / 金コロイド粒子 / 膜蛋白分子 |
Research Abstract |
本研究は、3つの先端的光学技術(ビデオ強化型高倍率微分干渉顕微鏡法、ナノメートル測定法、および光ピンセット法)を総合して新しいシステムを創り出す技術開発研究である。そして、本システムを用いて生きた細胞あるいは細胞内小器官に微細操作を加えながらその構造と機能の変化を観察・解析できるようにすることを目的とする。光源に10mWのヘリウムネオンレーザーを用いたの光ピンセットの捕捉力は1pN以下で、微粒子の分子運動の熱的ゆらぎを抑えることは可能であるが、それ以上の運動を止めて制御するには不足であった。そこで本年度は、100mwのクリプトン・アルゴンレーザーを導入して捕捉力を向上させ、さらにビームエクスパンダーを用いてビームの集光点を微調整することにより、光ピンセットの捕捉力を1pN以上にして微粒子の分子運動の熱的揺らぎ抑えて動きを制御できた。この時、光ピンセットの位置、すなわち、レーザー照射部位を大きく動かす粗動操作機構については、昨年度、ビームコントローラーとナノ駆動制御用コンピュータを用いて直接レーザー光の照射領域を制御することで実現したので、本年度は、光ピンセットの微動操作のためにピエゾ素子を利用して倒立型顕微鏡のステージの移動制御する機構を試作した。一方、細胞膜表面に付着した金コロイド粒子を検出しその動きを追跡してナノ・メートル測定を行う画像収録処理システムを作製した。特定の膜蛋白分子を標識して操作する方法として、糖鎖をもつ膜蛋白分子を標識するコンカナバリンAでラベルした金コロイド粒子を用いた。こうして幼若ラットの培養神経細胞を用いて光ピンセットをパッチ膜に当ててレーザー光を点滅しながら膜電流を記録すると、光をあてたとき、すなわち、光ピンセットを作用させたときに外向きに電流を観察できた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tatsumi H.,Katayama Y.: "Analysis of Ca^<2+>homeostasis in neurons dissociated from rat nucleus basalis." Neuroscience Research. 22. 259-266 (1995)
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[Publications] Tatsumi H.,Tsuji S.,Anglade P.,MHeino I.,Soeda H.,Katayama Y.: "Synthesis,storage and release of acetylcholine at and from growth cones of rat central cholinergic neurons in culture." Neuroscience Letters. 202. 1-4 (1995)
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[Publications] Uma Maheswari R.,Tatsumi H.,Katayama Y.,Ohtsu M.: "Observation of subcellular nanostructure of single neurons with an illumination mode photon scanning tunneling microscope." Optics Communications. 120. 325-334 (1995)
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[Publications] 辰巳仁史: "光ピンセット(レーザートラッピング)" 実験医学 脳・神経研究プロトコール. 204-206 (1995)