1995 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経機能解析のためのニューロン活動の光学的多チャネル三次元計測法の開発
Project/Area Number |
06558110
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
神野 耕太郎 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (40025630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 幸子 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (10014078)
佐藤 容子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (70251501)
廣田 秋彦 島根医科大学, 医学部, 教授 (50156717)
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Keywords | 三次元計測 / 光学的測定 / 中枢神経系 / 電気活動 |
Research Abstract |
ニューロン電位活動の光学的多チャネル三次元計測法の開発のため、本年度は、昨年度に引き続き、光学顕微鏡を用いた光学的切片法の改良に重点を置き、研究を進めた。 実験動物として、孵卵6〜9日の鶏胚を用いた。鶏胚から舌咽神経、迷走神経をつけたまま脳幹を切り出し、これらの脳神経をはさむような厚さ約1500μmのスライス標本を作製した。この標本をメロシアニン・ロ-ダニン系の膜電位感受性色素(NK2761)で染色し、顕微鏡のステージを上下させて色々な面に焦点を合わせ(光学的切片法)、各焦点面上で舌咽神経あるいは迷走神経刺激によって誘発される光学的シグナルを測定した。舌咽神経刺激によって誘発される光学的シグナルの大きさや出現領域は焦点面の深さによって変化し、それぞれ異なった深度にピークが存在することが明らかになった。また、迷走神経を刺激した場合にも同様の傾向が見られた。 さらに、同一標本上で舌咽神経及び迷走神経を別々に刺激して光学的切片法によって得られたデータをもとに、機能的な意味での舌咽神経核、迷走神経背側運動核、孤束核の分布パターンの三次元的再構成を行った。その結果、発生初期の段階から、これらの神経核はそれぞれ異なった場所を中心として分布し、一部に重なった領域が存在することが明らかになった。また、舌咽神経と迷走神経の両方が投射する孤束核内においても、これらの投射領域は、この発生段階ですでに明確に区別されていることが示された。 以上により、膜電位の光学的三次元計測法の1つの方法として、光学的切片法との組み合わせが有用であることを明らかにした。但し、この方法では、光学系の特性や光散乱などによるぼけの混入が避けられず、さらに良好な三次元像を得るために、真のシグナルサイズを求めるアルゴリズムを開発し、それを実行するためのプログラミングを行なう必要性が指摘された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Momose-Sato Y.: "Optical mapping of early embryonic expressions of Mg^<2+>-/APV-sensitive components of vagal glutaminergic EPSPs in the chick brainstem." The Journal of Neuroscience. 14. 7572-7584 (1994)
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[Publications] Sato K.: "Responses to glossopharyngeal stimulus in the early enbryonic chick brainstem:spatiotemporal patterns in three dimensions from repeated multiple-site optical recording of electrical activity" The Journal of Neuroscience. 15. 2123-2140 (1995)
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[Publications] Momose-Sato Y.: "A novel γ-aminobutyric acid response in the embryonic brainstem as revealed by voltage-sensitive dye recording" Neuroscience Letters. 191. 193-196 (1995)
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[Publications] Momose-Sato Y.: "Evaluation of optimal voltage-sensitive dyes for optical monitoring of embryonic neural activity." The Journal of Membrane Biology. 144. 167-176 (1995)
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[Publications] Hirota A.: "A new simultaneous 1020-site optical recording system for monitoring neural activity using voltage-sensitive dyes." Journal of Neuroscience Methods. 56. 187-194 (1995)
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[Publications] Sato K.: "Optical studies of the biphasic modulatory effects of glycine on EPSPs in the chick brainstem and their embryogenesis." Neuroscience. (in press). (1996)
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[Publications] Kamino K.: "Progress in Biomedical Optics:Proceedings of Clinical Applications of Modern Imaging Technology II." SPIE,Bellingham W.A.,USA, 494 (1994)
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[Publications] Momose-Sato Y.: "GABA:Receptors,Transporters and Metabolism:Advances in Pharmacological Sciences." Birkhauser,Basel,Switzerland(in press), (1996)