1995 Fiscal Year Annual Research Report
サルのエイズ動物モデルを用いたエイズペプチドワクチンの開発に関する研究
Project/Area Number |
06558113
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山本 博 富山医科薬科大学, 動物実験センター, 助教授 (00108797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 政美 富山医科薬科大学, 動物実験センター, 教務職員 (50186441)
井戸 栄治 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (70183176)
吉川 泰弘 筑波医学実験霊長類センター, 所長 (80109975)
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Keywords | アカゲザル / 合成ペプタイド / 日本ザル / 中和抗体 / CTL / ELISA / Dendritic Cells / マウス |
Research Abstract |
1)合成ペプタイド免疫 昨年来、MHC class Iおよびウイルス学的スクリーニングを行い、選定したアカゲザルに次の2種類の方法で合成ペプタイドの免疫を行っている。新たに発見されたSIVのenv領域のCTLエピトープ部分のペプタイド(peptide p30-5とする)の合成を行い、抗原に追加した。 (1)SIVmac由来の合成ペプタイドpeptide 11(SIVmac gag)、peptide 3A(SIVmac gag)、peptide 3B(SIVmac gag)、peptide 113(SIVmac env)、およびpeptide p30-5(SIVmac env)とFreunds Incomplete Adjuvantを混合した抗原を免疫した。 (2)2つめの免疫方法としては、上の5種類のペプタイドをサルPBMCに含まれるDendritic Cellsにラベルし、3000Radで処理して、元のサルにI.V.投与する方法で免疫を行っている。これらSIVmac由来のpeptideについてはsyngenicマウスに免疫(IFAと混合した抗原、およびspleen cellにラベル後3000RadX線照射処理した抗原)し、どのハプロタイプのMHC class Iを持つマウスにこれらエピトープpeptideが反応するか検討中である。また、HIV-1由来のV3領域の合成peptideを日本ザルに免疫し誘導される免疫反応について解析を加えた。 common consensus PNDのloop構造とV3-MAPsとをグルタールアルデヒドにより重合し、高分子多価合成ペチドワクチン(VC1)を作製し、日本ザルに免疫し細胞性免疫反応を調べた。 2)免疫を行っているサルの血液性状の検査 免疫を行っているサルについて定期的に採血し(Heparin血、DETA血)検査している。これらは(1)免疫による血液性状の変化のcheck、(2)ウイルスでchallenge前のpre値の保存のために行っている。検査項目は、総蛋白、A/G比、アルブミン値、血中IgG、IgM、IgA値および血液学的検査(血小板、白血球像他)について行っている。現在までのところ、FIA混合免疫および自己PBMC(Dendritic cells)ラベル免疫ともに血液性状に大きな変化はなく、これらの免疫方法で大きな毒性は現れていないと考えられる。 3)サルのペプタイドに対する免疫反応の検査 免疫したサルは、定期的に採血して(1)plasmaおよび(2)PBMC(末梢血単核球)を分離して、免疫状態の検査を行っている。(1)については、京大ウイルス研の井戸先生のところで、ELISA法および中和能測定で抗体の検査を行っている。細胞性免疫については、a. 3H-thymidineを用いた抗原特異的なproliferation assay、 b. 抗原刺激を用いてPBMCを培養し、細胞障害性を51Cr-release assayにより測定している。現在のところ、一部のpeptideについて弱く免疫されている可能性があるが、強い免疫は誘導できていない。 4)今後の検討 今後、より強い免疫状態を誘導するため、(1)組み換えワクチニアウイルスとの組み合わせの免疫。(2)自己Dendritic cellを培養して、より効果的なantigen presentationを行う。(3)自己B lymphoid blast cell line(BLCL)にpeptideをラベルして免疫する。などの方法を検討中である。
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Research Products
(1 results)