1995 Fiscal Year Annual Research Report
時間スペクトル分解顕微蛍光測光装置の試作と動脈老化過程の追跡
Project/Area Number |
06558125
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
荒木 勉 徳島大学, 工学部, 教授 (50136214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東野 義之 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (40075023)
三澤 弘明 徳島大学, 工学部, 教授 (30253230)
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Keywords | 動脈 / 蛍光 / 時間分解測光 / 加齡 / 老化 / 動脈硬化 / ナノ秒蛍光 |
Research Abstract |
本研究目的は加齢によって生じるヒト動脈組織の不均質性を蛍光の測定から調査することにある。本年度は次のような結果を得た。 I.昨年度組み上がった超高感度顕微蛍光画像測定装置および時間分解顕微蛍光測光システムの測定装置を改良した。具体的には、発光ダイオードを利用したナノ秒紫外光源を開発した。 II.動脈組織蛍光について加齡による蛍光減衰曲線の変化を見いだした。 III.動脈硬化部位の蛍光スペクトルに特徴を見いだした。 具体的には、 イメージ像倍管と蛍光顕微鏡および分光フィルターを結合して、超高感度顕微蛍光分光測光装置を開発した。また市販の青色発光ダイオードを用いたナノ秒紫外光源を開発した。これを光子計数型時間分解測光システムに応用した。これらの装置でヒトの胸部大動脈、脳底動脈の自己蛍光強度の加齡的な変化を測定した。血管試料は系統解剖遺体より得た。脳底動脈に関して、動的な蛍光測定では加齡にしたがって蛍光減衰時間が短くなった。しかし年齢によらず蛍光減衰の早い血管が有り、その血管のカルシウム含有量は著しく大きかった。このことから蛍光減衰波形が、血管の老化に関する有効な指標となることがわかった。しかし胸部大動脈は硬化が激しく年齢と蛍光との相関が見いだされなかった。これは心臓の拍動による機械的ストレスを受けているためと考えられる。また大動脈の硬化部位の蛍光スペクトルは正常部位に比べて発光強度が大きく、長波長側にずれていることがわかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Araki,H.Misawa,K.Chikamori and Y.Tohno: "A biological-sensor utilizing a living cell for environment monitoring in micro space" Proc.Internat.Symp.Michrosystems,Intelligent Materials and Robots. 301-304 (1995)
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[Publications] T.Araki and H.Misawa: "Light emitting diode-bascd nanosecond ultraviolet-light source for fluorescence lifetime measurements" Rev.Sci.Instrum.66. 5469-5472 (1995)
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[Publications] Y.Tohno,T.Araki,et al.: "Age-related changes of mineral contents in human thoracic aorta and cerebral artery" Biological Trace Element Research. (受理). (1996)
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[Publications] T.Araki and Y.Tohno: "Age dependency of nanosecond fluorescence characteristics in human artery" Front.Med.Biol.Engin.(受理). (1996)