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1994 Fiscal Year Annual Research Report

言語行為の一般理論のための、発語内の力に関する基礎的・理論的研究

Research Project

Project/Area Number 06610001
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

山田 友幸  北海道大学, 文学部, 助教授 (40166723)

Keywords言語行為 / 発語内行為 / 発語内の力 / 内容 / 力 / 意味 / 意味論 / 語用論
Research Abstract

初年度にあたる今年度は、基礎的研究として、行為の哲学と状況理論に関する最新の研究成果の調査を行うとともに、それらを参考にしつつ言語行為の行為としての側面を分析した。得られた成果は以下のとおりである。
1.発語内行為と発語媒介行為の比較により、明示的遂行形式が存在するという意味で発語内行為が慣習的であるとしたJ.L.オースティンの見解の正当性が確証された。これは発語媒介行為に明示的遂行形式がありえないということとの対比で、発語内行為の効果を慣習的なものに限定する視点の確立につながる。
2.他方、ウィトゲンシュタインの言語ゲームをめぐる考察からヒントを得ることによって、発語内の力を意味の関数と見るJ.サール以来の言語行為の理論の公式見解が妥当でないと判断すべき強い論拠が導かれた。
3.そこで本研究では、これまで本研究代表者が追求してきた、発語内行為の遂行に際して発話される文や発行される文書(これには必ずしも文といった統語論上の単位に対応しないものが多い)の意味と、遂行される発語内行為との関係を、状況理論における条件的制約(conditional constraints)として記述するという観点を保持し、行為主体の権限や資格といった要因によって、発語内行為が不発におわったり不適切となったりしうることを考慮に入れた理論化をはかるという方針のもとで発語内の力を理論の枠組みを構想した。
4.発語内の力の理論と発語内行為内容の理論の統合は、二段階で行うことができる。第一段階では、成立した発語内行為の特徴づけに発語内の力に対応する行為名とその行為の内容の両方を含むデータ構造を割り当てる。語句の意味は基本的には発語内行為内容に対する制約として記述する。第二段階では、発語内行為がもたらす慣習的効果を、第一段階のデータ構造から導く制約を記述する。目下この着想の成否の検討に着手した段階である。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 山田友幸: "フレーゲからオースティンへ" 月刊『言語』. 第23巻10号. 40-47 (1994)

URL: 

Published: 1996-04-08   Modified: 2016-04-21  

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