1994 Fiscal Year Annual Research Report
言葉と世界のつながりに関する言語哲学および論理哲学的考察
Project/Area Number |
06610012
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石黒 英子 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30212872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 光弘 慶応義塾大学, 文学部, 助教授 (30224025)
西脇 与作 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (30118989)
西山 佑司 慶応義塾大学, 言語文化研究所, 教授 (90051747)
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Keywords | 論理的意味論 / モンターギュ意味論 / 関連性理論 / 言語行為論 / 可能世界意味論 |
Research Abstract |
論理的意味論(真理条件を基にした意味論)の持つ問題点を批判的に検討し、コンテクスト情報が言葉の意味の理解に果す役割について考察した。特に、可能世界モデル理論(クリプキ・セマンティクス)及び言語行為論的基準を用いたセマンティクス理論についても、上記のようなコンテクスト情報との関連のもとで再検討した。これらの検討の結果をふまえて、対話時の話し手と聞き手との間の意味の理解に対して、いくつかの論理学的及び言語学的モデルを用いて考察を進めた。特に、岡田は可能世界意味論と内包論理とに基づくモンターギュ・セマンティクスの枠組の中で対話の理解がどのように説明できるか、についての新しい提案を行なった。一方、西山は、関連性理論の言語理解モデルの枠組を用いて、対話理解の説明を試みた。これら両者の議論を通して、メンタル・スペース理論のような認知言語学的モデル、言語行為論的基準を基にした説明、状況意味論等との関連についても批判的な検討が行われた。又、認知言語学や人工知能論のモデルにおいては、しばしばrepresentation概念が無批判に使われているが、石黒は、representation概念についての哲学史的な分析を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 石黒英子: "On Represntations" European Journal of Philosophy. 2. 109-124 (1994)
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[Publications] 西山佑司: "メンタルスペース理論におけるコピュラの分析はどこまで妥当か" 認知科学. 1. 135-140 (1994)
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[Publications] 岡田光弘: "A Direct Independence Proof of Buchholz's Hydra Game on Finite Labeled Trees" Archiv for Mathematical Logic. (近刊).