1996 Fiscal Year Annual Research Report
西欧13世紀の第4・四半世紀におけるガンのヘンリクスの思想
Project/Area Number |
06610014
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
加藤 雅人 関西大学, 総合情報学部, 助教授 (90185869)
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Keywords | ガンのヘンリクス / 西欧13世紀 / 本質と存在 |
Research Abstract |
本研究は,ガンのヘンリクスの存在論と認識論の統一的解釈をめざすものである.そのために,彼の「照明説の存在論的根拠」を解明する必要がある.平成8年度は,以下のような作業を行った.1.ヘンリクスの「存在論」関連文献収集.2.上記1の文献の読解,コンピュータによるデータ整理,3.ヘンリクスの「存在論」の解明.4.13世紀末の論争史関連文献収集.5.上記4の文献読解,コンピューターによるデータ整理、以上の作業の結果,ヘンリクスの「照明説の存在論的根拠」に関して以下のような知見が得られた. (1)ヘンリクスの「照明説」の第一機能における,前期から後期にかけての思想発展は,「照明」における「光」の役割を縮小する方向であった. (2)そのことが,「照明説」の第二機能に関して,新たな説明の原理を要請する. (3)結局,「照明説」の存在論的根拠は「〈本質〉レアリズム」に基づく.
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