1994 Fiscal Year Annual Research Report
不確定状況における意思決定ヒューリスティックスの構造的モデル化
Project/Area Number |
06610056
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀧川 哲夫 北海道大学, 文学部, 助教授 (30098503)
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Keywords | グループサイズ不確定性 / 資源ディレンマ / ヒューリスティックス / 調整過程 / 平等性 |
Research Abstract |
本年度においては、資源ディレンマ状況において報告される具体的な意思決定ヒューリスティックスを収集整理した。用いられた資源ディレンマの状況は本研究代表者とD.Messickとの共同研究によって提案されたグループサイズ不確定性変数に基づく場面設定の3条件、すなわち、2資源3人条件10組、2資源4人条件6組、2資源5人条件6組であった。実験は個別に行われ、すべての試行数は10試行とし、各プレイヤー相互の要求量調整過程を調べるとともに、質問紙法によって被験者の用いた意思決定ヒューリスティックスを収集した。要求量の計量的側面の統計的分析をおこなった結果、役割と条件の差が統計的に有意であった。一方、得られたヒューリスティックス群を記号構造に変換するとともに、一般的な意思決定ヒューリスティックス(平等分配ヒューリスティックスなど)との相互関係を分析している。この関係分析は複数のヒューリスティックスが相互に生成ないしは誘導できるかどうかによって樹状に分類するものである。分析途中ではあるが、基本的構造は、平等性と、プレイヤーの役割(ないしは制約)の2つの次元によって意思決定ヒューリスティックのモデルが構成されるものと思われる。来年度においては、そのモデルをコンピュータに実装し、シミュレーション実験によって妥当性を検証する予定である。
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